National Institute of Design, Ahmedabad

週末、Korjan先生と会った。2年前に合同セミナーでお世話になって以来、金沢にお招きしたり、昨年もセミナーに来たついでにお会いしたり、とお付き合いが続いている。いろいろな大学に招かれてワークショップを開いており、忙しそうだった。家族の介護のこともあり大変だと思うが、キャンパスまで迎えに来てくれて、土曜日の午後を一緒に過ごした。

軽く昼食を済ませた後、National Insitute of Design に案内してくれた。Korjan先生はここの卒業生であり、今も教鞭を執っている。土曜日なので多くのラボやスタジオが閉まっており、あまり活動の様子を見られなかったが雰囲気は十分味わえた。50年くらいまえに建てられたというが、天井が煉瓦で出来ており、かつ緩やかな曲線(局面)を描くように組み上げられていて、有機的な感じがした。中では学生らがプロジェクトに取り組んでおり、活発に活動している様子が窺えた。

その後ガンジー関係のギャラリー(Navajivan Trust)に連れて行ってくれた。ここの運営に彼も関わっているとのことであった。Dashrath Patelという人の写真展なのだが、Korjan 先生の師匠でもある。デザイン、彫刻なども手がける多才な人であったようだ。被写体はPatelのパートナーであったChandralekha および生徒らのダンスであった。彼女は南インドのいろいろな身体技能(舞踏、武闘など)を吸収し、独自の様式を作ったという。後から映像(Chandralekha’s Tanabana)をみたが、西洋的な群舞の要素も取り入れており、ユニークで面白い。Korjan先生の背景がまた少しわかった。私と相性がよい理由もわかった。アプローチの自由さ、というところだろうか。その背景にガンジーの思想がある。

最近、伝統工芸と関わっているのだが、伝統工芸へのワークショップを用いたアプローチについて聞いてみた。ガンジーは自分で糸を紡いで服を作っていたので何かしら示唆が得られるのではないかと思ったから。Korjan先生の答えは self reliance(自立)だった。ガンジーにとって自立は当時の支配者であった英国からの独立を意味したが、自分でものを作ることの本質は確かに自立にある。私としては伝統のもつ力についてもう少し話したかったが、伝統よりも自立の方が根源的であろう。その「自立」を伝統工芸にひきつけて解釈するとどうなるだろう。郷土愛みたいなものに帰着するのだろうか。ガンジーさんは以下のように言っている(引用元):

For me patriotism is the same as humanity.

「私にとって愛国心とは人間性の尊重と等価だ」といったところだろうか。今の時代に人間性を語るのはとても難しいのだが。。

Korjan先生にIndian Institute of Design を案内してもらった

Korjan先生にNational Institute of Design を案内してもらった

数多くある作業場のひとつ。伝統と現代的なものが混ざり合っていて面白い。

数多くある作業場のひとつ。伝統と現代的なものが混ざり合っていて面白い。

写真を使った発想法みたいなものか

写真を使った発想法みたいなものか

system thinking とKorjan先生が指さした

systems thinking とKorjan先生が指さした

学内の工房。ときどき地元の職人が来て学生と一緒に作業しながら技を伝承するのだとか。

学内の工房。ときどき地元の職人が来て学生と一緒に作業しながら技を伝承するのだとか。

学内ショップがあった。インドに来て初めて買いたくなるものを見つけられた。(おみやげに3点買い求めた)

学内ショップがあった。インドに来て初めて買いたくなるものを見つけた。

Korjan先生15年前の作品。店頭で衣服の展示に使われている。

Korjan先生15年前の作品。段ボールで出来ており、店頭で衣服の展示に使われている。

写真の展示。左はシバのポーズだと教えられた。

写真の展示。左はシバのポーズだと教えられた。

ギャラリーのカフェでチャイをご馳走になった。久々、陶器のカップで飲んだ。(使い捨てなんだけど。)お代は寄附として自分で箱に入れる仕組みだった。ガンジー的だなぁと感じた。

ギャラリーのカフェでチャイをご馳走になった。久々、陶器のカップで飲んだ。(使い捨てなんだけど。)お代は寄附として自分で箱に入れる仕組みだった。ガンジー的だなぁと感じた。

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