つかの間の晴れ間

久しぶりに太陽をみた気がする。明日はまた雪らしいからほんの一瞬の晴れ間ということになる。雪は昨晩から今朝にかけて降っていたからそれなりに積もっている。なので、朝雪かきした。ベートーベンのソナタ30番と31番を弾いて、32番の譜面を眺めていたところで家人に声を掛けられ、あわてて車のところまでショベルを取りに行った。

腕を使う力仕事をすると感覚が鈍ってピアノを弾くのが大変になるのだが、仕方がない。これでも大学近くの官舎(山の上)に住んでいた頃にくらべれば雪の厚さなど微々たるものだ。微々たる雪かきから戻ってフォーレの即興曲2番と3番を弾いてみた。3番の方が人気らしいが、今のところ2番の方が好ましい。たぶん弾きやすいからだろう。ついでにプレリュード(作品番号103)のNo.4もやってみる。日曜日の午前に相応しい音楽。特にそれが雪の後の晴れの日だったら。。なんていうことはなくて、ちょっとうれしい、平和な感じが好きなだけ。スペアリブの骨をもらった子犬のような気分。2ページ(演奏時間にして2分弱)の間にこれだけの情感を込められるなんてフォーレは素晴らしい。

昼間は買い物に出て、帰ってきてからラベルのソナチネとか鏡をさらってみる。同じくらいの時期に書かれていながら一方はクラシカル、他方は多調的でそのかけ離れた感じが面白い。ソナチネの第三楽章はガムラン的な感じがして好きなのだが何か影響を受けて作曲されたのだろうか。鏡は夏の暑い夕方に似合いそうだ。その頃までには何とか仕上げたいもの。最後の曲は日本海に沈む夕日みたいだから。弾いていて楽しいのは悲しい鳥たちだけどちょっと陰鬱ではある。

あとはラフマニノフのソナタを2番、1番の順で弾いた。2番が孕む狂気は病みつきになる。まずは1番に集中すべきなのだが。そういえば今週、沖縄芸術大に行った時、仕事で使わせてもらった練習室にsteinwayのグランドが置いてあった。学生の練習用はすべてsteinwayとのことでなんと恵まれているのかと驚嘆した。エディンバラで音楽学部に出入りしていたときピアノも練習していたが、どの部屋にあるピアノも壊れかけたようなひどい代物ばかりだったから雲泥の差だ。

折角なのでそのsteinwayを弾かせてもらったが、低音の響きがゴージャスなのだがあまり好みではなかった。でもラフマニノフの1番にはあっていたかもしれない。ソフトウェアのインストールなどの作業の合間に少しずつ触れただけなので本領は発揮できていないものと思う。今度何日か続けて滞在するときにまた弾かせてもらおう。

今住んでいる家の庭には片隅にミカンの木が植わっていて実がなっている

スコーンを買いに行ったら向かいの家に雪だるまが作ってあった。センスがよくて感心した。

積雪と行ってもこの程度だから大したことないよ

椿の花。沖縄では1月に桜が咲くと聞いて驚くと共にうらやましかった。

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