白肌研究室に関心をお寄せいただき,ありがとうございます.

JAISTは新しい専門領域にチャレンジできる大学院です.私たちの研究室ではサービスイノベーション,技術経営,Transformative Service Researchをテーマに研究をしていますが,メンバーの中には,大学や高専とは違う専門を学んできた学生も多く所属しています.

ぜひ多くの人に門をたたいてほしいと思います.

ただそのうえで,自分自身がこれまで学んだことが新しい領域にどのように活かせるか,ということも考えてください.現在の皆さんの学問的基礎は,それまでに意識・無意識的に何かを選択し,何かを成し遂げるために努力をしてきた末にあります.そうした選択的努力が,これからの大学院での研究活動と「全く」無縁になることは,私の研究室においては望ましいことではないと考えています.

仮に入学希望で,今の自分の専門と私の研究室の専門がどのような関係になりそうか,よくわからない場合はメールでもいいので相談してください.

なお最近,大学院入試に際し,語学や研究テーマ決定の面で入念に準備をしたいという方が,研究生として私の研究室を希望するケースが増えています.

残念ではありますが,私の研究室では研究生は受け入れておりません.JAISTの試験をはじめから受けるつもりで,相談をしてください.

私の研究室は歴史があまりありません.メンバーには「自分が研究室を作る担い手であるという意識をもって欲しい」と言っています.自分の関心のあるテーマで勉強会を開いてもいいですし,余暇活動を率先して企画しても良いでしょう.研究室は多国籍であるだけでなく,世代も多様です.その中で,積極的に自分は研究室にどのような貢献ができるのかを考えてほしいと思っています.

研究室ゼミは石川では週に1回のペースで行っています.英語での議論が普通に行われていますが,これは自然に慣れます.

私自身の経験も踏まえて,大学院に行く意義を考えれば,大学までの研究・教育では見えなかった世界を見て接して,「世の中にはこんな世界があるんだな」と多様性に驚く経験をすることではないかと思います.私は,みなさんにとって,価値観を変えるような変革的な経験ができる場が少しでもあるように,支援していきたいと思っています.

学会に出たり,企業と共同したり,行政関係者と議論したり,地域の人と何かを共に作り上げたり,その一つ一つがおそらく変革的な人生の経験になるでしょう.

卒業生の進路も多様です.もちろん日本の大企業や県庁に進むメンバーもいますが,ベンチャー企業,大学教員,最近では地域おこし協力隊に,自分の活躍の道を自ら見出す者もいます.

そうした先輩らとの交流の機会も自分が求めれば必ずできるでしょう.すべては,みなさんが今まで何をしてきて,今後何に成りたいか,というところからスタートします.

ぜひ積極的な挑戦を待っています.

白肌 邦生 (2017/08/15版)