研究内容

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研究テーマ
動的適応可能なソフトウェアのための系統的構成方式の研究

キーワード
動的適応,自己反映計算,メタレベルアーキテクチャ,メタオブジェクト プロトコル,総称関数,メソッド,拡張,共有,再利用,可読性,保守性, モーバイルコンピューティング,モーバイルエージェント,オブジェクト マイグレーション

研究内容
本研究では,開放型分散システム環境および移動計算機環境に有効な動的 適応能力を備えたソフトウェア・モデルとそれを実現するためのプログラ ミング言語を提案する.開放型分散システム環境や移動計算機環境の普及 にともない,プログラマは設計の段階でそのソフトウェアがどのような実 行環境上で使用されるか,あるいは実行時にその実行環境がどのように変 化するかを完全に予測することができなくなった.こうした実行環境やそ の状態の変化がプログラムの実行に与える影響は無視できない場合が少な くない. 例えば,1) Netscapeような比較的大きなアプリケーションの場合,デス クトップ環境では問題なく使用できるものの,計算機資源の極めて限定さ れた携帯情報端末で使用することは難しい.2) 通信の形態を有線から無 線に切替えた場合,一般に回線を長時間占有するタイプのアプリケーショ ン(電子会議システムなど)はうまく動作しない. このような状況をうまく扱うにはアプリケーションの振舞いを実行環境や その状態に応じて変える必要がある.しかし個々の実行環境やその時々の 状態に特化したアプリケーションを作成することは不可能である.こうし た実行環境やその状態の変化は事前に予測できないため,ソフトウェア自 身がそのような変化に動的(実行時)に適応できる能力を持つことが望ま れる.本研究では,このようなソフトウェアの能力を動的適応可能性と呼ぶ.動的適応可能なソフト ウェアは,各計算機の持つ計算能力,資源などの特性を最大限に活かすた めに,それ自身の機能の柔軟な変更を可能とする. プログラマが事前にソフトウェアの実行環境とその状態を特定することが できない以上,事前にソフトウェアに持たせることができる動的適応可能 性にも自ずと限界がある.このため動的適応可能なソフトウェアは拡張が 容易かつ安全な機構を持ち,それを用いて利用者が適宜,その動的適応可 能性を向上できるように構成される必要がある.本稿では,このような拡 張の機構をも含めたより広い意味で動的適応可能性という語を用いる. 本研究の鍵となるアイディアは,1) 手続きにもとづく動的適応可能性 (手続き呼び出しにおいて,実行環境の状態に応じて呼ばれる手続きのコー ドを動的に切替える)を実現する,2) メタレベル・アーキテクチャを用 いてソフトウェアを構成し,動的適応可能性のための記述を問題領域の記 述から分離・独立させる,といった点にある.

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