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香港証券取引所

香港証券取引所では以下の理由からサーキットブレーカー制度を採用していない.

  • サーキットブレーカーは,価格を決定するという市場の力を自由市場に提供するという目標を損なう.
  • 1997 年に行われた電子取引システムにおける会議で,取引所が取りまとめたサーキットブレーカに関する意見では,一般に市場はサーキットブレーカーに反対の立場を示している.先物市場では,1997 年にハンセン指数先物で残っていた変動制限を廃止しており,最近の意見でも,サーキットブレーカーに対しては,継続的な反対意見が多数を占めている.
  • サーキットブレーカーが有効であるという明確な実証的な証拠が見られない.さらに,もしサーキットブレーカーが香港で発動されるなら,市場取引と均衡価格は単にニューヨークやロンドンの取引所,店頭株市場へと移行するだけである.
  • サーキットブレーカーは,市場取引を停止させるよりも前に市場に混乱を招き,パニック売りを引き起こすので逆効果である.
  • 市場取引がサーキットブレーカーによって停止されたなら,ユニット型投資信託は,それらのポートフォリオに見合った適正価格を設定することができなくなるかもしれない.同様に,クリアリングハウスは正確な精算価格での値洗いができなくなるかもしれない.
  • デリバティブ市場の参加者によるヘッジは,市場取引が停止されたことによって不可能となり,その結果彼らのリスクが増大するかもしれない.デリバティブ取引のポジションによる利益回収は本来の市場リスクを反映しない可能性がある.