石灰水で汚れたガラス器具の洗浄

6年生の理科において,

二酸化炭素を石灰水に通すと白く濁る実験がある。

この実験準備のために予め水酸化カルシウム(消石灰)を水に溶かしておく。
というのは,水酸化カルシウムは水に溶けにくいためである。
溶解度は0.17g / 100g 水 (15℃において)
温度を上げると10度あたり,1割ほど少なくなる。
全ての物質は温度を上げるほど水に対する溶解がし易くなる訳ではない。

このため,20*40Lの活栓付きのポリタンクに水酸化カルシウムを入れ,
水Cを加えて飽和になるようにしてつくられている。
水酸化カルシウムの粉末は水に懸濁しやすいので静置しておく。
使うときには上澄み溶液を取り出して使う。

前日から準備しておくため,別の容器に汲み置きすることが多い。
水が蒸発してガラス容器に白い輪ができたり,水溶液の下部が白く濁ったりする。
最も困るのは集気びんに入れて,二酸化炭素を吹き込んで白濁した液を放置すると
びんの内側に白い曇りができることである。生成したものは炭酸カルシウムであるが
ガラス壁面につくと,ブラッシングだけでは綺麗にならない
特に,白くなった集気びんをそのまま何度も使っていると,
実験で炭酸カルシウムの生成程度がよく分からないほどになる。
 追記  集気びんの内側を根気よくビーカーブラシで洗浄すると,汚れを取ることができる。

一般に,器具洗浄は汚れの元が分かれば,器具を綺麗にし易い。
今の場合には塩酸を用いて溶かすのが洗浄方法として有効である。
理由は,水酸化カルシウムや炭酸カルシウムは塩基性化合物であるので,
酸を用いて酸性化して溶かすためである。
このとき,濃塩酸を用いるのは,短時間で行えるので,能率的である。しかし,
洗浄操作,塩化水素ガスの発生,洗浄後の塩酸の処理などの危険な作業を伴う。
12Mmol/L)の濃塩酸を半分に薄めた6Mでも有効であるが時間がかかる。

なお,蓋がない集気びんの中に石灰水を入れて準備をしておく場合には,ラップで覆い,輪ゴムで止めておくとよい。アルミホイルを使ってはならない。

【注意】 水酸化カルシウムは強アルカリであるので,水酸化ナトリウムと同じ扱いをする。すなわち,必ず保護メガネをする。直接,手で触れない。毒劇法には該当しない。
また,塩酸の代わりに,硫酸を用いてはならない。生成した硫酸カルシウムは石膏であり,
水にはほとんど溶けないからである。

2017.6.7 記
2019.5.19 改変