なぜ,水の沸騰は100℃で止まるのか?

少し授業時間が余分にあったとき,「質問コーナー」をつくられた。
理科に関係あることならなんでもよいが,
今,勉強している理科の単元で関係したこと何でも聞いてください。「質問ダイム!!」

出てきた質問の一つが「なぜ,水は100℃で沸騰するのですか?」という質問です。

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答える前に,みんなが質問の意味をよく理解することです。

勿論,水の沸点を100℃と決めたから,というのは,本来の質問の趣旨から逸れています。
「同じようなことですが,なぜ,水は0℃で凍るのですか,という意味ですね」
「水を温めると100℃で沸騰しますが,温め方は同じなのに,どうして100℃のままなのですか,ということですね」

さて,これは少々答えるのが難しい。頭の中で,「蒸発熱」「潜熱」という言葉が過る。
もちろん,この単元で,固体(氷),液体(水),気体(水蒸気)は出てくる。

水が沸騰しているとき,水の小さな粒はどのようにしているだろうか。(絵を描く)

例えば,フライパンに豆をのせて温めて炒る(いる)としよう。
温度が上がってきて爆ぜ(はぜ)そうになった時,豆は一度に爆ぜますか。
いいえ,ばらばらに爆ぜます。熱が豆にたまったものから爆ぜるのです。
最初に爆ぜた時と,最後に爆ぜた時の間には時間差があります。
その間に,豆はずっと温められています。すなわち,爆ぜる準備をしているようです。

水も同じです。
沸騰すると,すべて一度に水蒸気となるのではなく,
水の「つぶ」の中で,熱を十分に受けた水の「つぶ」だけが蒸発します。
他の水の「つぶ」は蒸発するまで,熱をためています。
すなわち,十分に熱がたまるまで時間がかかります。その間ずっと100℃のままです。

結局,沸騰している水は水がなくなるまで,ずっと100℃のままです。
水蒸気に全部変わってから100℃をこえます。

2020年1月5日 作成