石徹白(いとしろ)の大杉


石徹白のスギ(1924年12月9日に国指定天然記念物、1957年7月2日に国指定特別天然記念物)
岐阜県郡上市白鳥町石徹白 白山中居(ちゅうきょ)神社
幹周   目通り13.1m、根まわり18m
樹高   25m
樹齢 1800年(伝承)


この杉を見に行くのは大変である。車で行くとすると荘川から156号線を南下して前谷を県道314号線に入り、石徹白(いとしろ)の分岐点で県道127号線の右を取る。これを北上すると中居神社の鳥居が見えてくる。道の狭い大杉林道を約6km北上すると、白山参拝道である「美濃禅定道」の登山口のトイレと休憩所の建物が左手にある。ここはすでに標高1000mあり、右手の登山口に「石徹白の大杉」へ420段の石段を上るとの看板もある。休みながら上っても15分くらいで、前方の開けた所に出る。なだらかな下り坂の中ほどに大杉が立っている。根を傷めないように柵が施されている。周囲の下草刈をしているご老人にお会いできた。この杉を見る角度は登り道の左側からがよいといわれた。「12抱えの大杉」という名はその大きさを表している。周囲を巡ると、「今清水」の名の通り杉の奥根元から涌き水が出ている。全国杉の部門で5位。老齢で樹勢は衰え高さも半分ぐらいになっていると思われる。鳥が他の樹木の種を落とした事による宿木が何本かあるが、比較的正面右側にはこの木の枝葉が見られる。この杉は白山を開いた泰澄大師の杖がこの大杉になったとの伝説がある。なお、周囲の杉の大木も目通り5m以上(樹齢数百年)あるが、大杉に圧倒されている。
途中の中居神社にも大きな杉がある。このあたりの環境は湧き水があり、周囲に開発されたところがない点が共通している。自然のリサイクルシステムは神社・仏閣という聖域において、神仏の威厳によって開発から防備されてきたと思える。外見をよく観察することだけでその環境システム内容を理解する自然科学がもう少し発達してもよさそうと思えるところです。
















中居(ちゅうきょ)神社の杉






平成18年7月21日作成