★板前ロイ先生参上! (2000年12月31日
今日で20世紀も最後の日。今日は、先生に招待されていてうちの奥様とニューイ ヤーパーティーのため先生の家に行くことになっている。パーティーには僕等だ けでなく、カラリンさんのところに来ている池田先生ご家族も参加することになっ ている。僕等は車を持っていないので池田さんの車で一緒に行くことになった。 さすが病院の先生だけあってリッチだなぁと思った(イギリスで車を持つには結 構、経費がかかるし駐車場を見付けるのが大変みたい)。

池田さんご家族は、夜の8時にうちに迎えに来てくれ、その脚で直行した。 僕も池田さんもロイ先生の家は、今回で3回目なのだけど、これまでは誰かに連 れていってもらっていたので、道がよく分からなかった。おおよそのところは分 かっていたのだけど、実際近くに着くと暗くって良く分からなかった。 2人でここだと思って、ドアをノックするとおばさんが出て来た。「あっちゃー、 やってしまっった!」そう、家を間違えたのである。怒られるかと思ったけど、 親切なおばあちゃんでロイ先生の家を丁寧に教えてくれた。世紀末の奇妙な珍客 と思ったことだろう。

ロイ先生の家につくと、池田さんだけが玄関をノックしにいった。ロイ先生が出 迎えてくれたけど、僕等だけ車の中にいたので、さぞかしびっくりしたことだろ う。 家にはいると、りっぱな暖炉に火がともっていて、とっても暖かかった。こんな 家を持ちたいなぁとは思うものの、日本では難しいだろうなぁと思った。ものす ごい田舎に行けば可能かもしれないけど、職場がないだろう… 手土産のワインをカラリンさんに渡し、僕等は中へと入って行った。

パーティーには、僕等以外にもう一組招待されていた。Taekoさんとジョンさん である。こちらで通訳の仕事もしているらしく、池田さんとカラリンさんの共通 の知人らしい。ロイ先生とも古いつき合いらしく、日本人家族の大集合となった。 初めは、シャンパンで乾杯し、つきだしに日本の昆布巻きとちくわ巻きをいただ いた。「うまい」どこで手にいれたんだろうと思ったら、東京の池袋の東武デパー トで買ったとか。しまいには、2ヵ月前に名古屋でゲットしたえび煎餅も登場し た。出だしから日本づくしだった。話がはずむなか、ディナーをみんなでとるた め、暖炉のある部屋へ移動となった。

ここでも日本づくしのフルコースとなった。まず、最初に登場したのがアスパラ となすびの抹茶添え、その次がキノコ(椎茸)などのしょうがあえ。これがまた なんとも答えられない味だった。お酒はここでワインが登場した。1995年のイタ リア産白ワイン。これがなんとも忘れれない味だった。これまでにいろんなワイ ンを飲んだことがあるけど、一番おいしいものだった。うちの奥様はあまりお酒 が得意ではないけど、これはおいしいと喜んで飲んでいた。

さあ、ここで一休憩。何でもロイ先生が寿司を握ってくれるとのことで女性陣は みんなキッチンへと向かった。僕等はジョンが持参してくれた日本酒を味わうこ とになった。4ヵ月ぶりの日本酒でとってもうれしかった。 彼はちょうど夏に滋賀の原酒ブリュワリーにいったらしく、そこで飲んだ原酒が おいしいと、通信販売でゲットしているそうな。今日もその原酒をここで味わう ことになった。英語でくどくどと説明してくれる。これって日本語 でいったら酔った親父がくどくどいっているようなものか?原酒がベストだ!なん ていうもんだから、石川や新潟のおいしい酒を飲んだこともないのにベストだと いうのがちょっとしゃくで I can't agree! なんていってしまった。気を悪くさ せてしまったかなと思ったら、じゃあ何がいいんだというものだから、石川の酒 などを紹介してやった。そしたら、妻のTaekoさんに今度石川や新潟にいって飲 んでみるぞといっていた。

日本酒を飲んだ後で僕等もキッチンへと向かった。するとそこには板前 ロイ先 生の姿が…。首にスカーフ、ベストを来てなんともおしゃれな格好なのに、海苔 巻きを作っている姿にはとてもギャップを感じた。どうせなら、ねじり鉢巻でも して「へい、いらっしゃい」とでもいってくれればとっても似合っていただろう。 でも、海苔巻きを上手に作っているのには驚いてしまった。他にもサーモンや大 トロを握っているのを見ると、本当に板前さんのようだった。思わず、先生に 「日本で店開けますよ!」といってしまったら、大受けしてしまった。 「お客と会話ができないから、駄目だよ」といっていたけど、目が口とは反対の ことをいっていた。マジで店をだしたりして。本当に日本好きなんだなぁと思っ た。

さあ、お寿司もできたことだし、みんなでいただくことにしよう。一人12貫とい うボリュームだった。まるで上にぎりの豪華さだった。食べる頃にはもう誰も会 話せずひたすら頬張った。おいしい。まさかロイ先生のうちでお寿司をご馳走に なるとは思っても見なかった。まさに豪華版日本ずくしのディナーだった。おい しい食事にありつけたし、おいしいワインも飲めたし、それに日本酒も飲めたし。 し・あ・わ・せ。 ひといき着く頃には、21世紀へのカウントダウンが始まっていた。 新世紀を向かえたところで、僕等はそろそろおいとますることにした。池田さん の娘さん2人はもう夢のなかだった。池田さんに家まで送ってもらい、自宅に着 いた頃にはもう1時を過ぎていた。日本にいたころは、初詣かな?と思いながらも、 実家と奥様の実家に新年の挨拶ので電話をして僕等は眠りについた。 さて、どんな初夢をみれるかな?

Created by M. Unoki, 31 Dec. 2000
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