Path MTU Discoveryの効果を調べる実験の方法を示します。
[1]
まず、LanPlexでFDDIとEthernetの入ったVLANとそれ以外にもう一つVLANをつく
ります。
例えば、
- VLAN summary
Index Protocol Identifier Ports
1 IP 102 1, 3-18
2 IP 2 2
Index Name Layer 3
1 102_bridge 192.168.102.0 255.255.255.0
2 103_fe 192.168.103.0 255.255.255.0
のようなIP vlanを切り、
Index Type IP address Subnet mask State VLAN index
1 VLAN 192.168.102.1 255.255.255.0 Up 1
Index Type IP address Subnet mask State VLAN index
2 VLAN 192.168.103.1 255.255.255.0 Up 2
のようにinterfaceを与え、ip routing enableします。
bridge ipFragmentationがenableであることを確認します。
[2]
102のvlanにはNEWSのfddiインタフエースともう一台何
かether側にマシンをつなぎ、この例の場合にはFastEtherがあたっている103のvlan
にも何かマシンをつないでそれぞれ適切なアドレスを与えます。
ここでは、
192.168.102.10 NEWSのfddi0
192.168.102.100 102のEtherにつないだPC
192.168.103.100 103のFastEtherにつないだPC
とします。
[3]
それぞれからオプション無しのpingで疎通があることを確認します。
ない場合には多分ルーティングテーブルの問題です。PCやNEWSからはLanPlexを
デフォルトとすればよいわけです。
[4]
news上で3つの端末を準備します。
端末はxtermでも外からのtelnetでもよいですが、テキストファイル
にロギングできるものだとレポートを書く上では便利です。
このうちの一つでtcpdump、もう一つで、ping、残りの一つでnddを実行するよう
にします。
[5]
NEWSの一つの端末上で、
/usr/sbin/tcpdump -i fddi0
とやって、fddi上のパケットモニタリングを始めます。
[6]
NEWSのもうひとつの端末上で、
ping -s 192.168.103.100 4000
を実行し、2-3回で止めます。
このとき、tcpdump上ではNEWSからPCへはひとつのicmp echo requestがとび、反
対側は3個のメッセージが飛んでいることが観察されます。
[7]
ping -s 192.168.102.100 4000
を実行して、やはり2-3回で止めます。
上記とほとんど同様の結果が得られます。
[8]
LanPlexで
bridge ipFragmentation disable
とします。
[9]
上記の[6]を行います。これはかわらない動きをします。
[10]
上記[7]を行うと、今度はpingに返事がなく、fddi上でもrequestのパケットのみ
が流れることがわかります。
[11]
上記[10]のpingの最中にLanPlexでipFragmentation enableに戻すと再開するこ
とが観測したら、またdisableに戻します。
[12]
NEWSで
/usr/sbin/ndd -ser /dev/ip ip_path_mtu_discovery 2
と入力します。
これでpath MTU discoveryがenableになります。
[13]
上記[6]を行います。
今度は今までとは異なったメッセージがいくつかpingおよびtcpdump上で見られ
ます。
[14]
上記[7]を行います。
ほとんど[13]同様のメッセージが表示されます。
[15]
NEWSで
/usr/sbin/ndd -ser /dev/ip ip_path_mtu_discovery 0
と入力します。
これでpath MTU discoveryがdisableになります。
[16]
上記[14]同様、ブリッジ先の192.168.102.100にサイズ4000のpingを継続して飛ばします。
Path MTUのdisableはすぐには効果が出ないため、辛抱強く待ちます。
[17]
最長でも10分で上記[10]同様の状態に戻ります。pingを止めないまま、再びNEWS
でpath MTU discoveryをenableするとその瞬間に上記[14]のような動作が始まる
ことが観察されます。
最初の課題説明のときとの違いはLanPlexがルータとしても稼動している点とな
ります。
これで、当初の課題の目的であった、
・ブリッジング環境におけるIP fragmentationとpath MTU discoveryの実験
に加えて、
・routingにおける異なるMTUサイズの取り扱いの実験
がなされたことになります。
レポートには、これらの違いを考察しながら、path MTUについて調べたことなど
を記述して下さい。
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