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“スピンのダイナミクス”を
計測・制御して応用へ繋げる

安研究室 AN Laboratory
准教授:安 東秀(An Toshu)

E-mail:toshuanjaist.ac.jp
[研究分野]
スピントロニクス、磁気共鳴、プローブ顕微鏡、ナノサイエンス
[キーワード]
スピントロニクス、磁気共鳴イメージング、スピン波、プローブ顕微鏡、マイクロ波、共焦点顕微鏡、ダイヤモンドNV中心

研究を始めるのに必要な知識・能力

固体物理、材料物性の基礎知識を習得していることが望ましいです。基礎を身につける勤勉さと新しいことにチャレンジする意欲。

この研究で身につく能力

研究活動を通して、自分で問題を設定し、これを解決し、他人や社会に成果を発信する能力を身につけます。このために、先ず、簡単な実験を通して自分で実験データの取得、装置の改良、解析、データのまとめ、研究発表ができる能力を育成します。その後、自分で新しくチャレンジングなテーマを設定し、これを解決してゆくことに取り組みます。その際には、他人と協調して研究を行うこと、英語文献の読解力や英語によるコミュニケーション力が必要で、これらの能力を身に付けることも重視します。

【就職先企業・職種】

研究内容


図1.スピン波熱移送効果 スピンの集団励起の波であるスピン波を用いてエネルギーを空間的に移送して熱に変換できることを示しました。T. An, et al.:Nature Materials, 12, 549-553(2013)


図2.走査マイクロ波顕微鏡によるスピン波イメージング マイクロ波プローブを用いて磁性体ディスク上でスピン波を励起・計測し、異なるスピン波モード分布をイメージングしました。T. An, et al.: IEEE Magn. Lett. 1, 3500104 (2010)


図3.ダイヤモンドNV中心プローブによる単一スピン検出 ダイヤモンド中の欠陥であるNV中心に存在するスピンを(共焦点蛍光顕微法により)モニターすることで、周囲に存在する単一スピンからの漏洩磁場をナノスケールで計測しました。

 電子の内部自由度であるスピンのダイナミクスを利用した新しい現象を探索し、これを応用したデバイスやセンサーを実現することを目指します。そのための基礎となるスピンダイナミクスの高感度センシングと高分解能イメージングの計測技術を重視して研究に取り組んでいます。

①スピンと熱の相互作用

 近年、熱によりスピンを制御することや、その逆の効果である、スピンにより熱を制御することが可能なことが判ってきました(図1)。材料探索と高感度な熱・スピン計測技術を用いて、スピンと熱の相互作用に基づく新しい現象の開拓を目指します。

②スピンダイナミクスイメージング(走査マイクロ波顕微鏡による)

 ギガヘルツの周波数のマイクロ波を照射することにより磁性体やスピンのダイナミクス(歳差運動)を励起することができます。逆に、スピンダイナミクスは周囲にマイクロ波磁場を生成します。走査型の高周波プローブを用いてスピンのダイナミクスを励起・計測してスピンダイナミクスの空間分布をイメージングし、新現象の発見に繋げます(図2)。

③スピンダイナミクスイメージング(ダイヤモンドスピンセンサーによる)

 ダイヤモンド中の窒素-空孔複合体中心(NV中心)に存在する単一スピンは、高性能なスピンセンサーとして有用であることが判ってきました(図3)。このNV中心を走査プローブとした高感度・高分解能スピンセンサーを開発し、単一電子スピン、単一核スピンのダイナミクスをセンシングすることを目指します。

主な研究業績

  1. T. An, V. I. Vasyuchka, K. Uchida, A. V. Chumak, K. Yamaguchi, K. Harii, J. Ohe, M. B. Jungfleisch, Y. Kajiwara, H. Adachi, B. Hillebrands, S. Maekawa, and E. Saitoh, Unidirectional spin-wave heat conveyer, Nature Materials, 12, 549-553 (2013).
  2. T. An, N. Ohnishi, T. Eguchi, Y. Hasegawa, and P. Kabos, Local excitation of ferromagnetic resonance and its spatially-resolved detection by using an open-ended radio frequency probe, IEEE Magnetics Letters, 1, 3500104 1-4 (2010).
  3. T. An, T. Nishio, T. Eguchi, M. Ono, A. Nomura, K. Akiyama, and Y. Hasegawa, Atomically resolved imaging by low-temperature frequency-modulation atomic force microscopy using a quartz length-extension resonator, Review of Scientific Instruments, 79, 033703 1-6 (2008).

使用装置

磁気共鳴計測装置
走査マイクロ波顕微鏡
共焦点蛍光顕微鏡
走査プローブ顕微鏡
真空(超高真空)装置

研究室の指導方針

本研究室では、スピンのダイナミクスを利用してセンサーやデバイスへの応用へ繋げることを目標に、材料物性の基礎を理解し(“確かな知識”)、課題を自ら設定し(“自由な発想力”)、解決してゆく能力を育成します。毎日の研究において議論の場を多く設定し、コミュニケーション能力を高めます。課題を解決する手段としての新規計測手法の開発と工学的技術の取得にも取り組みます。意欲溢れる皆さんが研究に参加し、“わくわくする”研究の醍醐味に触れ、将来の活躍の基礎を確立する場を提供したいと考えています。

[研究室HP] URL: http://www.jaist.ac.jp/ms/labs/toshuan-www/index.html

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