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透過型電子顕微鏡を駆使した
未知なる表面ナノ物質の探索

大島研究室 OSHIMA Laboratory
准教授:大島 義文(Oshima Yoshifumi)

E-mail:oshimajaist.ac.jp
[研究分野]
透過型電子顕微鏡、表面界面物性、ナノ物質
[キーワード]
グリーンイノベーション、新計測技術、表面・界面物性

研究を始めるのに必要な知識・能力

 ナノスケールの世界で原子がどのように並び、どのような電気的力学的特性を示すかを直接見る研究です。実験を成功させるには、「あきらめない」という強い気持ちが必要です。なお、数学や物理の基本を理解していることが望まれます。

この研究で身につく能力

 基礎として、実空間と逆空間がどのようなものであるかを具体的に理解でき、その知識を利用して様々な材料の基本的な特徴を把握できるようになります。技術として、透過型電子顕微鏡、および、真空装置を操作できるようになるため、特に、材料分析評価などの仕事に携わる場合は役立ちます。また、毎週行う勉強会や論文紹介を通じ、科学的に考える力、英語力、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力が鍛えられます。

【就職先企業・職種】 電気メーカー、材料メーカー、材料などの分析会社、大学などの技術職員、工業試験場など

研究内容


図1.バナジウム酸リチウム結晶を[110]方位から観察した環状明視野像


図2.金表面に銅アイランドが電着した様子のTEM像と同時に計測した電気化学反応のグラフ


図3.破断直前の金ナノ接点構造とコンダクタンス変化

 ナノ物質の探索は、大きな関心が寄せられているものの、その手段が限られているためまだまだ未開の分野です。透過型電子顕微鏡は、「カーボンナノチューブの発見」のようにナノ物質を探索する上で極めて強力な手段です。本研究室では、世界的にも稀な超高真空電子顕微鏡にプローブ顕微鏡など計測装置を組み合わせる手法を独自に開発し、未知なるナノ物質の構造・物性を明らかにしています。

1.3次元的にナノ物質を探索する

 近年、収差補正装置が開発され、透過型電子顕微鏡の空間分解能は格段に向上しています(加速電圧200kVで70pmに達している)。この装置を利用し、これまで不可能であったリチウム原子の可視化に成功しました(図1参照)。また、深さ方向の分解能(焦点深度)が向上したため、シリコン結晶中ドーパント原子の検出にも成功しています。

 現在、ナノ物質の原子配列を3次元的に探索する手法を開発することで、未知なるナノ物質の探索に挑戦します。

2.電気化学反応を探索する

 リチウムイオン電池など固液界面における電気化学反応をナノスケールから原子スケールで可視化する手法を確立し(図2参照)、リチウムイオン電池などの高効率化に寄与する研究に挑戦します。

3.ナノ接点を探索する

 我々は、STMを透過型電子顕微鏡に組み込んだ装置を開発し、金ナノ接点の原子配列とその電気伝導の関係を調べました。その結果、接点の結晶方位に依存した電気伝導の振る舞いや接点を構成する原子列の数に応じた量子化が起きることを見つけました(図3参照)。
 現在、ナノ接点の力学的特性を明らかにするため、透過型電子顕微鏡に組み込める原子間力顕微鏡の開発に挑戦しています。

主な研究業績

  1. Y. Oshima, A. Onga and K. Takayanagi, “Helical gold nanotube synthesized at 150K”, Phys. Rev. Lett. 91 (2003) 205503.
  2. Y. Oshima, H. Sawada et al., “Direct imaging of lithium atoms in LiV2O4 by spherical aberration-corrected electron microscopy”, J. Electron Microscopy 59 (2010) 457.
  3. Y. Oshima, et al., “Development of an electrochemical cell for in situ transmission electron microscopy observation”, Microscopy 63 (2014) 481.

使用装置

超高真空透過型電子顕微鏡
小型プローブ顕微鏡ホルダー
冷却ホルダー

研究室の指導方針

本研究室では、基礎理論を正しく理解し、それを用いて実験結果を解析し、考察・結論をまとめて発表するまでを指導することで、各院生が研究者として一人前に活動できるようになることを目指します。具体的には、毎週行う勉強会で、基礎となる電子線回折理論(実空間、逆空間、回折、干渉などの概念)を一緒に勉強し、論文紹介で、お互いに興味を持った論文を紹介します。研究については、透過型電子顕微鏡を核として展開するため、少なくとも透過型電子顕微鏡の操作に慣れるようにトレーニングします。このような活動から、科学的に考える力、英語力、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力などを鍛えることも目指します。

[研究室HP] URL:http://www.jaist.ac.jp/ms/labs/oshima-lab/

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