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人工の細胞「膜」を自在に操る

濵田研究室 HAMADA Laboratory
准教授:濵田 勉(Hamada Tsutomu)

E-mail:t-hamadajaist.ac.jp
[研究分野]
人工細胞、ソフトマター物理、生物物理、分子ロボット
[キーワード]
生体膜、リポソーム、原始生命、コロイド、ナノ粒子、分子集合体、アクティブマター、光スイッチ、ソフト界面

研究を始めるのに必要な知識・能力

実験が好きであること、物理・化学の基本的な知識があることが望ましいです。人工細胞にワクワクする方、物理・化学・バイオの境界領域の研究に興味がある方、ソフトマター(やわらかい物質)の学理を学びたい方、リポソーム(人工細胞膜)を究めたい方などが向いています。

この研究で身につく能力

老子曰く、「魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えよ」。自立した研究者・技術者となるための基本的な手法・習慣的な姿勢を身につけ、成果を出す仕組みを学びます。院生メンバーの出身学科・専門分野は多様です。主な身につく力は、次の3つです。

  1. 物理学・物理化学的な考察力、現象を数理モデル化する力
  2. バイオ材料の取り扱いスキル、各種顕微境および分析装置の実験技術
  3. 異分野の研究室・企業とのコラボレーションの経験、論理的なコミュニケーション力

【就職先企業・職種】 化粧品、食品、化学、機械、バイオ研究開発など

研究内容




図.人工細胞モデル



図.(左)膜ドメインを出芽分裂させる人工膜リポソーム、(右)分子モーター・微小管の集団運動パターン

 私たちは、生体細胞の共通の器である脂質膜小胞を主な実験対象とし、分子集合体(ソフトマター)のダイナミクスの探求、物理化学法則の解明、機能の制御に関する研究を進めています。

1.人工細胞モデル

 DNA(情報分子)やモータータンパク質(エネルギー変換分子)等を人工膜リポソーム(ミクロンサイズの器)に実装し、目的の機能を備えた人工細胞・分子ロボットを創り出します。最も単純な生 命モデルの設計を通して、ナノ・マイクロ空間で分子システムが働く普遍的原理に迫ります。また、リポソームを血管細胞のモデルとして用いて、細胞膜の力学応答メカニズムの解明を進めています。医学系研究者らとの共同で、作用機序が明らかとなっていない血管病(脳動脈瘤など)の発生機序の解明および診断ツールの開発を目指しています。

2.動態コントロール

 分子が集合するためのエネルギー状態を理解し、ダイナミックな膜の形や動きを操ります。これまでに、細胞内での物質輸送であるオートファジー・エンドサイトーシス小胞機能の動きを人工的に再現し、光で制御する技術を開発しています。細胞の複雑な膜ダイナミクスを素過程(変形・融合・分裂)に分解し、再現・制御実験により膜系の設計原理を明らかにします。

3.ナノ粒子と膜

 ナノ粒子・コロイドと脂質膜の相互作用メカニズムの解明に取り組んでいます。これまでに、細胞内への扉である膜ドメインにナノ粒子が選択的に吸着することや、膜に吸着した粒子の運動特性を発見しています。この人工膜システムは、薬剤の細胞内への効率的吸収や、有害なナノ物質から細胞を防御するナノリスク評価などへの応用にも展開が期待されます。

主な研究業績

  1. "Molecular behavior of DNA in a cell-sized compartment coated by lipids" T. Hamada, et al., Phys. Rev. E, 91, 062717 (2015).
  2. “Photo-induced fusion of lipid bilayer membranes” Y. Suzuki, et al., Langmuir, 33, 2671 (2017).
  3. “Lateral diffusion of a submicron particle on a lipid bilayer membrane” K. Shigyou, et al., Langmuir, 32, 13771 (2016).

使用装置

共焦点レーザー顕微鏡
蛍光・位相差・微分干渉顕微境
マイクロマニピュレーション
光(レーザー)ピンセット
動的光散乱

研究室の指導方針

  1. 実験トレーニングや勉強会を通して技術的な知識を向上させ、専門性を磨きます。
  2. 各自の興味から沸き起こる好奇心・探究心を重視し、遊び心を大切にしたオリジナルな研究テーマに挑戦します。
  3. メンバー全員が高いクオリティの成果を出せるよう指導します。修論・博論成果は世界の主要学術誌に掲載させます。

[研究室HP] URL:http://www.jaist.ac.jp/ms/labs/hamada

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