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脳の理論的研究:
自分の頭の働きを自分の頭で考えてみる

田中研究室 TANAKA Laboratory
准教授:田中 宏和(Tanaka Hirokazu)

E-mail:hirokazujaist.ac.jp
[研究分野]
計算論的神経科学、生体信号解析、ヒト心理物理、運動制御
[キーワード]
ニューラルネットワーク、最適制御、モデル化、脳機能信号、モバイル脳身体イメージング

研究を始めるのに必要な知識・能力

学部程度の数学(解析学・線形代数・ベクトル解析・統計学)や物理(力学・解析力学・電磁気学)、および工学(制御工学・機械学習)などが必要です。教科書や文献はすべて英語のものを用います。プログラミング言語(Python, Matlabなど)の能力は望ましいです。

この研究で身につく能力

勉強会の文献や研究室での議論は留学生も交えて英語で行います。学部の数学・物理・工学で学んだ理論がどのように脳のモデル化に使えるかを理解することで、抽象的に思えた数学が具体的に理解し、理論の応用力を鍛えます。ラボミーティングでは研究室内だけではなく他分野の人にも理解できるような発表ができることを目指します。脳の理論的研究は就職には直接役に立ちませんかもしれませんが、数式を一つ一つ導いて脳がどのような計算過程を解いているかを理解する訓練は、きっと人生のどこかで役に立つことでしょう。

【就職先企業・職種】 製造業・情報関連産業

研究内容


大脳皮質運動野計算モデルの模式図

運動適応(プリズム適応)の実験風景と学習曲線

課題関連成分分析によって得られた血流動態成分

脳機能の理論的研究

脳科学では、単一神経細胞記録や脳機能イメージングに代表される実験的アプローチが主流でした。一方、「脳がどのような表現を用いてどんな計算を行っているか」を理解するためには、数理解析やシミュレーションに基づく計算論的神経科学の手法が不可欠です。本研究室では、運動制御の計算モデルと生体信号処理理論・応用を通して、脳機能の理解を目指しております。

運動制御アルゴリズム

しなやかで適応性のある生物の身体制御を可能にする情報表現・アルゴリズムに関して、計算論的モデルを用いた研究を行っています。

大脳皮質運動野のネットワークモデル

運動制御に関連した大脳皮質野として、筋肉に指令を出す第一次運動野、体性感覚を処理する第一次感覚野、感覚情報と動作を統合する運動前野、そして空間での身体図式を構築する頭頂葉などがあります。身体ダイナミクスを獲得する内部モデル理論や、複数感覚情報を最適に統合するベイズ推定理論に基づき、大脳皮質感覚運動野を統一的に説明する計算モデルを構築することで、身体運動制御の脳のアルゴリズムを解明します。

運動適応の計算論的モデルと心理物理実験

宇宙空間といった今まで経験したことのない状況においてもヒトは驚異的な適応性を示します。運動適応における誤差の統計性や新奇な状況への汎化を調べることで、脳の運動表現や適応アルゴリズムが理解できます。状態空間モデルや最適推定理論に基づき、実験データを説明する計算モデルを構築し、心理物理実験によりモデルの予言を検証していきます。

生体・脳信号処理理論および応用

本研究室では、生体・脳信号から情報を抽出する信号処理理論とその応用について研究しています。例として、生体ノイズを除去し課題に関連する成分を抽出する課題関連成分分析法を提案しました。このような手法を用いて生体・脳信号を解析することで、行動観察だけでは分からないヒト認知状態を推定することが可能となります。

主な研究業績

  1. Tanaka, H., & Sejnowski, T. (2015). Motor adaptation and generalization of reaching movements using motor primitives based on spatial coordinates. Journal of neurophysiology, jn-00002.
  2. Tanaka, H., Katura, T., & Sato, H. (2014). Task-related oxygenation and cerebral blood volume changes estimated from NIRS signals in motor and cognitive tasks. NeuroImage, 94, 107-119.
  3. Tanaka, H., & Sejnowski, T. J. (2013). Computing reaching dynamics in motor cortex with Cartesian spatial coordinates. Journal of neurophysiology, 109(4), 1182-1201.

研究室の指導方針

修士一年時は研究室ゼミ(教科書通読・研究論文紹介)で週一回程度発表することで、本分野の基礎知識を指導します。修士二年時は修士研究に関しては、修士一年時のゼミ内容に基づき自主的にテーマを設定し進めてもらい、定期的にラボミーティングで進捗を議論します。それ以外は基本的に放任です。教員に指導してもらうという受身の姿勢ではなく、教員より優れた研究を目指すくらいの気概を持つ学生さんを歓迎します。

[研究室HP] URL:http://www.jaist.ac.jp/~hirokazu/Site/Welcome.html

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