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最新のサービス事例の、“なぜ”を追求する
ことで、サービスの価値を理解する

神田研究室 KOHDA Laboratory
教授:神田 陽治(Kohda Youji)

E-mail:kohdajaist.ac.jp
[研究分野]
サービス科学
[キーワード]
インターネットサービス、ソーシャルイノベーション、質的分析

研究を始めるのに必要な知識・能力

しっかり筋が通った、説得力がある文章が書けることが出発点となります。書籍を読むことが苦にならないことも好ましいです。身の回りのニュース等から、自分の感性でおもしろいな、と思うものに気付く習慣があれば、なお良いです。それが研究の出発点となります。

この研究で身につく能力

根源に遡って“なぜ”を追求する研究体験を通して、本質的な質問を投げ掛け続ける能力が身に付きます。21世紀の知識社会で生きるためには、自分なりの疑問を出発点に、解くに値する本質的な質問にまで持ち上げる、「解決を見通す力」が何よりの助けとなるでしょう。社会に出れば、周囲の人をうまく巻き込んで行く能力が、いろいろな局面で要求されます。コミュニケーション能力やリーダーシップも必要ですが、それだけでは人はついて来てくれません。社会では、難しくは無いが利害関係者が多く、人を動かすことが必要となる問題が普通です。そして、人を動かすためには、本質的な質問を投げかけ、人々の意識を問題に向けることが有効です。自分の問題となったとたん、人は率先して動き始めます。

【就職先企業・職種】 情報通信業、サービス業、製造業

研究内容

 サービスの時代だと、言われています。情報通信技術の発展が、サービス化の流れを一層加速しています。コンピューターの普及は、世界をフラット(FLAT)にしました。20世紀までは貿易とは、物を国から国へ移動させることでしたが、21世紀では、情報を電子的に移動し変換することを意味するようになりました。インターネットの普及は、無料(FREE)に象徴されるように、ビジネスのやり方(ビジネスモデル)を抜本的に変えました。さらに、人々の意識が消費からシェア(SHARE)へと変わる兆しが見えています。世界がこんなに劇的に変化しているのですから、サービスも当然進化します。
 当研究室では、最新のサービス事例に注目し、調査研究することで、サービスの最新の内容を捉えることを研究の目標としています。それには、“なぜ”、と思うようなサービス現象に着目するのが良いと考えています。
 例えば、知らない人といっしょに生活するリスクがあるのに、なぜシェアハウスを選択する人がいるのでしょうか。利益が相反した結果が引き起こした社会問題のはずなのに、なぜソーシャルイノベーションは人々の熱心な協力を引き出せるのでしょうか。イスラム教徒向けの金融商品としては発明されたはずのイスラム金融商品なのに、なぜ非イスラム教徒にも受け入れられているのでしょうか。このような“なぜ”を解明することで、最新のサービスが持つ価値を解明できると考えています。

具体的には、以下が最近の研究テーマです。

  1. シェアリングサービス
    カーシェアリングやハウスシェアリングが日本でも受け入れられつつある。しかし、シェアには価値もあるがリスクもある。シェアのリスクと価値のバランスについて研究する。
  2. イスラム金融商品
    イスラム金融商品は利子を禁止するイスラムの教義を守るために作られたが、従来の金融商品には無かった価値が新たに生まれているように見える。イスラム金融商品の調査を通して、最近のサービスに共通する価値創出のメカニズムを研究する。
  3. ソーシャルイノベーション
    解決は不可能に見える社会問題について、制約がある発展途上国だからこそ、ユニークでイノベーティブな解決が生み出されるように見える。マイクロファイナンスはその代表である。社会問題の解決に必要なサービスシステムを生み出す方法について研究する。

 当研究室では、事例分析のアプローチで、サービス現象に迫ります。主に、質的な分析の方法を使いますが、量的分析も使います。質的分析では、主にインタビューやフィールド調査を行います。量的分析では、アンケートやドキュメント分析を行います。学生によっては日本の各地へ、留学生であれば自分の母国へインタビュー調査に行きます。注意すべきは、聞きたいことを聞くのがインタビューではないことです。適切な相手に的をしぼった質問をし、インタビューから帰った後に、聞けた内容を何度も精査することで、理論モデルを導き出すのが質的分析の面白さです。
 質的な分析を体験しておけば、社会に出てからも、物事を見る目が人とは違って来るでしょう。イノベーションを起こすには、プロセス(HOW)や構造(WHAT)を理解することも重要ですが、問題の本質を理解する(WHY)ことが何より重要であり、質的分析はそれに答えられるからです。
 参考:神田陽治、永井由佳里、知識社会を支える知識科学, 知識社会で活躍しよう(JAIST知識科学研究科著)、第1章, 社会評論社(2014/3), pp.11-25

主な研究業績

  1. Amna Javed, Youji Kohda, Hisashi Masuda, Co-creation of Socioeconomic Values in Islamic Banking Service: Case Study Research in Pakistan, Journal of Creating Value, Vol.2, No.1 (2016/5), pp.1-15
  2. Youji Kohda, Service Innovation in Information Business, in Progressive Trends in Knowledge and System-Based Science for Service Innovation (Kosaka and Shirahada), Chapter 17, IGI Global (2013/10), pp.308-324

研究室の指導方針

あなたの研究したいことを、研究計画という形に落としこむところに、時間をかけます。研究したいは夢でしかなく、実行できるプランに落としこむところに、頭を使ってもらいます。難しいインタビュー先であっても、あなたが知っている相手なら話が違って来ます。その意味で、実行できる研究計画を作成することは、あなたにしかできません。一方で、できることをしただけでは価値がある研究になりません。できることと価値があることのバランスの取り方が指導の対象です。後は実行するだけですが、始めれば困難があり、そこでも支援いたします。

[研究室HP] URL:http://www.jaist.ac.jp/ks/labs/kohda/

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