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イノベーション実現に向けた研究・開発デザイン

佐藤(治)研究室 SATO Laboratory
教授:佐藤 治(SATO Osamu)

E-mail:
[研究分野]
技術経営
[キーワード]
イノベーション、研究開発、社会ニーズ、原理、知識創造/体系化

研究を始めるのに必要な知識・能力

社会課題に関心があり、その解決に意欲を持つ方、柔軟な思考を有し、チャレンジ精神旺盛な方を歓迎します。材料・デバイス分野の基礎知識があることが望ましいですが、必須ではありません。

この研究で身につく能力

社会ニーズ、研究・開発、産業構造などを俯瞰する能力、および、それらを踏まえたイノベーションの設計と実行に必要な基礎的なスキルを修得することができます。具体的には、以下の能力基盤の構築を目指します。1)多面的/客観的な観点から物事を捉え、本質を洞察する能力、2)分野/組織を超え、必要な知を適切に融合させ、新たな社会的/経済的価値を創造する能力、3)具体的な方策を立案し、実行する能力、4)関係者の利害を調整し、組織を動かす能力。

研究内容

世界は、グローバル化の進展、地球温暖化、競争原理/競争環境の変化、情報通信技術(ICT)/人工知能(AI)をはじめとしたテクノロジーの加速度的進化といった地球規模の大変化に直面しています。この様な状況の中、世界中の国々/企業はイノベーションによって社会課題の解決と経済成長の両立を実現すべく、躍起になっています。一方で、産業/事業のライフサイクルは短期間化し、研究開発/事業マネジメントはますます複雑化してきています。この様な背景を踏まえ、当研究室では、以下の3つの研究テーマに取り組みます。

1)基礎研究から社会実装までの戦略立案に向けた基盤構築

地球規模の大変化に伴い、「世界に先駆けてイノベーションを実現するためには、グローバルな視座に立ち、基礎研究から社会実装まで一気通貫の戦略が必要※」な時代となってきています。一気通貫の戦略立案は極めて難しい課題ではありますが、それに必要な学問的基盤を構築するために、材料・デバイス分野を中心に知識の創造、知識の体系化、ニーズの発見、価値創造、価値獲得が如何に実現されていったのかを詳細に検討し、それぞれの課程における成功要因と課題を明確化していきます。研究成果を基に、不確実性の高い研究開発の初期段階のマネジメント指針の提案に繋げたいと考えています。
※第34回総合科学技術・イノベーション会議 議事要旨

2)自然科学の原理が経営に与える影響の解明

1)の基盤構築には、自然科学と経営学の融合が必須です。そのために、「製品」を自然科学と経営学を融合する為の接点として捉え、研究を推進します。「製品」とは社会ニーズを満たすために提供され、消費の対象となるものである一方、社会ニーズに応えるべく、機能、性能、品質、コストなどの要求を最適化する様、自然科学の原理を適切に組み合わせたものでもあります。我々は、製品アーキテクチャーが内包する原理的な可能性や制約が企業の開発戦略に影響を及ぼし、結果的に製品の市場競争にも重大な影響を与える可能性があることを明らかにしてきました。この様な検討をより深化させ、自然科学の原理が経営(産業や事業)に与える影響を解明するとともに、自然科学の原理をベースに将来の産業や事業の動向を予測する手法の開発を目指します。

3)イノベーションシステムのデザインと実践

少子高齢化が進行する社会で、世界に先駆けてイノベーションを実現するためには、社会のリソースを最大限かつ効率的に活用するしくみの構築が必要です。そのためには、1)大学等の基礎研究と社会ニーズを適切にマッチングさせ、効率的に社会的/経済的価値を創造するシステム、2)トップダウン型に加え、社会全体でイノベーションを醸成するボトムアップ型のオープンイノベーションシステム、3)主にミドル・シニア層を対象としたリカレント教育を通して、新規産業(事業)の創造と長期に渡り社会で活躍する人材育成を実現する社会システムの構築が重要です。材料/工学分野、情報科学分野、経営学分野の研究者と協業し、この様なシステムを設計し、社会・大学・企業の新たな関係を構築するとともに、教育/研究の一環として実践していきたいと考えています。

主な研究業績

  1. 佐藤治,藤村修三 (2010)「LCD産業における日本メーカーの地位低下に関する研究‐G4投資に対する日本メーカーの投資判断を中心に‐」,『赤門マネジメントレビュー』, 9巻10号,pp.693-740.
  2. 佐藤治,藤村修三 (2016) 「製品アーキテクチャーが内包する原理的な可能性や制約が競争戦略に及ぼす影響‐薄型テレビ市場におけるLCD・PDPの競争事例をもとに‐」, 組織科学, Vol.50 No.1, pp.70-85.
  3. Osamu Sato, Harumi Okuno, Isao Adachi, Junji Watanabe, Masatoshi Tokita, Keita Sakakibara, Yuji Kinose, Atsushi Goto, and Yoshinobu Tsujii. Novel in-plane switching liquid crystal display with an extremely high transmittance using a well-designed bottlebrush as a zero-azimuth anchoring material. Japanese Journal of Applied Physics, 2019, 58.6: 066503.

研究室の指導方針

イノベーションを先導すると共に、社会の変化に適応し、自分の生きる道を自身で選択し、生き抜いていける力強い人材の育成に努めていきたいと考えています。輪講などにより学問的基盤を強化するとともに、修士・博士論文研究を通して、独創性・俯瞰力・論理力・不確実性のマネジメント能力を養っていきます。また、石川と東京サテライトの学生との交流、異分野・他大学・企業の人材との交流を活性化させ、文化や利害の異なる者同士の協業に必須なコミュニケーション能力と行動するマインドの習得を目指します。

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