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【開催報告】第2回 JAIST連続セミナー「組織と知」

 2025年11月19日(水)、コワーキングスクエア金沢香林坊にて、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)未来知識創造機構 未来デザイン研究センター主催の連続セミナー「○○と知〜新たな学び」の第2回を開催いたしました。
 本セミナーシリーズは、最先端の科学技術をテーマに、専門用語を使わず、市民の皆様と共に「新たな視点」を発見することを目的としています。科学技術の最先端を走る講師の方から技術の最新動向を学び、参加者同士の対話を通じて新たな視点を発見することをコンセプトとしています。

2回目のテーマは「組織と知:現場の知識をどう共有・活用していくのか?」当日の様子をご報告いたします。

インプットセミナー:


 第2回のプレゼンターには、当大学先端科学技術研究科の伊集院 幸輝 講師が登壇しました。「組織論」と聞くと難解な理屈をイメージしがちですが、本会ではそうした垣根を取り払い、誰もが現場で活用できる「生きた知識」として、平易な言葉で語られました。伊集院講師は、元々の研究分野であった視線解析などの基礎研究から、介護現場(七尾市の施設など)に入り込んで行う「知識の構造化」へと研究のアプローチをシフトさせた経緯を紹介され、ベテラン職員の頭の中にしかない「コツ(暗黙知)」を、いかにして言語化・可視化(形式知化)し、組織全体の財産として循環させるかについて、具体的なワークショップの事例を交えて解説されました。

クエスチョン&ディスカッション:インプットを受けての疑問


ディスカッションでは、参加者の皆様がグループに分かれ、伊集院先生の講義を受けての疑問点などを出し合い、伊集院先生に質問をして内容を深掘りしました。特に、「知識科学」と「知識工学」の違いについての議論では、「工学」が対象を厳密に定義・記述することを目指すのに対し、「科学」はより広く『人間や社会の中で知識はどうあるべきか』を探求するものであるという違いが明確化されました。また、データ(Data)・情報(Information)・知識(Knowledge)・知恵(Wisdom)の階層構造(DIKWモデル)についても触れられ、単にマニュアルを作る(形式知化する)ことがゴールではなく、それを使って現場の人が働きやすくなったり、個人のスキルが評価されたりする仕組みづくりこそが重要であるという点が共有されました。

クエスチョン・ディスカッション:知識とは


 後半のディスカッションでは、参加者の皆様がグループに分かれ、「現場における『新しい知識』とその活用」というテーマでアイデアを出し合いました。質疑の中では、「新しい知識とは何か?」という問いに対し、「世界初の発明である必要はなく、その人やその現場にとって『あ、こうすればうまくいくんだ』という気づきや変容こそが新しい知識である」という視点が示されました。また、オンラインコミュニケーション(Zoom等)では視線や空気感などの「暗黙知」が伝わりにくいという課題や、業界(製造業や介護など)が違っても「熟練者の暗黙知を見える化し、若手に継承する」という本質的な課題は共通していることなどが議論され、組織として知識をどう育てていくかについて理解を深める時間となりました。

連続セミナーのご案内

 本セミナー「○○と知〜新たな学び」は、2025年度の毎月第3水曜日に定期開催しております 。組織論だけでなく、イノベーション、通信、量子技術など、毎回異なるテーマで最先端の研究者が話題を提供します 。

【開催概要】

【今後のラインナップ】

  • 12/17(水): B5Gと知(NICT 石津 健太郎 氏)
  • 1/21 (水): イノベーションと知(JAIST 島田 淳一 教授)
  • 2/18 (水): 不確実性と知(JAIST 吉岡 秀和 准教授)
  • 3/18(水): 未来へのまなざしと知(JAIST 白肌 邦生 教授)

 科学技術と私たちの未来について、肩肘張らずに語り合える場として、皆様の継続的なご参加を心よりお待ちしております。

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