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【開催報告】第3回 JAIST連続セミナー「B5Gと知」

 2025年12月17日(水)、コワーキングスクエア金沢香林坊にて、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)未来知識創造機構 未来デザイン研究センター主催の連続セミナー「○○と知〜新たな学び」の第3回を開催いたしました。 本セミナーシリーズは、最先端の科学技術をテーマに、専門用語を使わず、市民の皆様と共に「新たな視点」を発見することを目的としています。科学技術の最先端を走る講師の方から技術の最新動向を学び、参加者同士の対話を通じて新たな視点を発見することをコンセプトとしています。 第3回のテーマは「B5Gと知」。当日の様子をご報告いたします。


 第3回のプレゼンターには、情報通信研究機構(NICT)所属の石津 健太郎様にご登壇していただきました。石津様は、第5世代移動通信システム(5G)などに関する研究開発に従事されており、国際規格の標準化活動や国際的な実証試験に取り組まれています。今回のセミナーでは、次世代通信インフラを支えるB5G(Beyond 5G)を取り巻く新しい技術について解説していただきました 。

B5Gで社会はどう変わる?「オーケストレーター」が繋ぐ新しい世界

 みなさんはB5Gという言葉を聞いたことがありますか? 現在普及しているB5Gのさらに先、2030年代の社会基盤となる次世代ネットワーク技術のことです。 このB5Gがもたらす革新的な未来が、私たちの生活や産業がどのように激変するのか、その核心となる3つのキーワードをご紹介します。

  • 現実と仮想が高度に融合する世界 「デジタルツイン」
     B5Gの世界では、次のようなデジタルツインという仕組みが当たり前になります。

     - フィジカル空間(現実)のデータをセンサーなどで収集します。
     - サイバー空間(仮想にあるコンピューターやAI)がそのデータを分析・予測します。
     - その結果を現実世界にフィードバックし、社会を常に最適化し続けます。

     これまでは「人間が情報を検索して動く」のが主流でしたが、これからは「システムが先回りして環境を整えてくれる」社会へと進化します。

    デジタルツインについて興味のある方は、総務省のリンク(こちら)も合わせてご覧ください!

  • 産業の垣根を越える司令塔 「オーケストレータ」
     今回の解説で最も注目すべき概念が「オーケストレータ」です。 これは、産業分野によって個別に存在している異なるデジタルツイン同士を、産業の枠を超えて連携させる「指揮者」のような役割を果たします。

    〜たとえばこんな未来〜
    – 荷物を配送しているドローンが撮影した映像から道路の損傷を発見し、自治体に共有します。
    – その情報が即座に走行車・バス会社へ伝わり、自動運転により壊れた道を避けて安全に走行します。
    – 自治体からの情報をもとに道路の舗装等を行います。

     このように、物流、自治体、交通といった異なる分野のデジタルツインがリアルタイムで手を取り合うことが可能になります。

  • 誰でも最先端技術を使いこなせる「サービスイネーブラ」
     「技術が複雑すぎて難しそう…」と感じる必要はありません。 そのために存在するのが「サービスイネーブラ」という機能です。 これは、専門知識がない一般利用者と複雑なシステムの窓口となってくれます。 利用者が「こうしたい」という要求を伝えるだけで、裏側にある複雑なシステムを自動で動かしてくれるため、誰でも等しく最先端技術の恩恵を受けられるようになります。

ディスカッション:技術で描く未来


 後半のディスカッションでは、参加者の皆様がグループに分かれ、「デジタルツインよってどんな未来を作りたいか?」というテーマでB5Gが可能にする未来 のアイデアを出し合いました。 今回は、各グループに与えられるテーマを組み合わせて未来をデザインしました!
 今回は次の業界とテーマの書かれたカードを各グループに配り、カードの内容を組み合わせた新しいアイデアの創出に挑戦しています。

  • グループ① 「運輸」×「教育・学習支援」×「自然」
     フィールドワークが活発な未来。ドローンや自動運転のトラックから自然の情報を取得し、天然記念物の観察や危険動物の回避に活用。

  • グループ② 「製造業」×「不動産業」×「能登復興」
     産業の種が生まれやすい未来。デジタル上の試作(デジタルツイン)を活用し、小規模な工場を安く・手軽に建てられる仕組み。多額の初期費用を抑え、高齢化や人手不足に悩む地域でも新しいものづくりを始めやすく、挑戦の第一歩を後押し。

  • グループ③ 「旅行業」×「農林水産業」
     データから正確な需要を予測する未来。農林水産業のノウハウやデータを蓄積し、人手不足の解消の足がかりに。観光者の増減の予測から作物の需要を予測。

  • グループ④ 「電気ガス業」×「建設業」×「天候」
     天候に振り回されない未来。都市全体を覆うシェルターを建設することで、適切な降水量や未曾有の悪天候に対して対応。

 まるでSFのような夢のある話から、直面する社会課題の解決まで、参加者の皆様の柔軟な発想により、技術が社会に実装された際の具体的なイメージを共有する場となりました。

連続セミナーのご案内

 本セミナー「○○と知〜新たな学び」は、2025年度の毎月第3水曜日に定期開催しております 。 量子技術だけでなく、イノベーション、通信、組織論など、毎回異なるテーマで最先端の研究者が話題を提供します 。

【開催概要】

【今後のラインナップ】

  • 1/21 (水): 組織と知(JAIST 島田 淳一 教授)
  • 2/18 (水): 不確実性と知(JAIST 吉岡 秀和 准教授)
  • 3/18(水): 未来へのまなざしと知(JAIST 白肌 邦生 教授)
  •  科学技術と私たちの未来について、肩肘張らずに語り合える場として、皆様の継続的なご参加を心よりお待ちしております。

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