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【開催報告】第4回 JAIST連続セミナー「イノベーションと知」

2026年01月21日(水)、コワーキングスクエア金沢香林坊にて、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)未来知識創造機構 未来デザイン研究センター主催の連続セミナー「○○と知〜新たな学び」の第4回を開催いたしました。
 本セミナーシリーズは、最先端の科学技術をテーマに、専門用語を使わず、市民の皆様と共に「新たな視点」を発見することを目的としています。科学技術の最先端を走る講師の方から技術の最新動向を学び、参加者同士の対話を通じて新たな視点を発見することをコンセプトとしています。

4回目のテーマは「イノベーションと知:イノベーションはどのように起こるの?」当日の様子をご報告いたします。

インプットセミナー:


 第4回のプレゼンターには、当大学先端科学技術研究科 未来デザイン研究センター長の島田 淳一 教授が登壇しました。
 「イノベーション」と聞くと一部の天才による発明やひらめきをイメージしがちですが、「個人から社会規模の継続的なプロセス」であるとして、平易な言葉で語られました。
 島田教授は、イノベーションとは単なる新製品開発ではなく、既存の知や力を新しい方法で「結合」し、持続的な発展を生み出すプロセスであると定義しました。その中で、大企業が陥る「ジレンマ」の構造を解き明かしつつ、個人の専門性を組織の垣根を越えて集約し、デザイン思考やシビックテックを通じていかにして社会実装を実現し、地域の財産として循環させるかについて、具体的なワークショップやFabLabの事例を交えて解説されました。
 最後には、参加者が「一緒に前に向かっている」という感覚を共有し、共鳴・共進・共創・創発が起きる場づくりの重要性が語られました。

クエスチョン&ディスカッション:日本発のイノベーションとは


参加者からは、QRコード、ICカードシステム、カラオケ、ショートケーキ、着物、回転寿司、初音ミク、プッチンプリンなどが挙げられました。
 島田教授からは、アニメ、テレビゲーム、ポケモン、マリオ、JKファッション、日本食、オタク文化、ゴジラ、ドラえもん、キャプテン翼など、技術だけでなく文化や生活様式を変えるイノベーションも重要であることが示されました。
 世代によって認識されるイノベーションが異なることも指摘され、各世代がそれぞれの時代背景の中で異なる文化や価値観を持っていることの重要性が語られました。

クエスチョン・ディスカッション:
イノベーションがもたらす10年後の未来社会とは


 後半のディスカッションでは、参加者の皆様がグループに分かれ、「地域課題とテクノロジーを組み合わせて、10年後にどんなイノベーションを起こすか?」というテーマでアイデアを出し合いました。今回は、各グループに業種や地域課題のカードが配られ、その組み合わせから新しい未来を創造しました。

グループ① 「農業」×「人材不足」×「IoT・AI」 
 空き地をビッグデータで共有し、人と土地をマッチング。AIとIoTで土地環境を最適化し、成功体験を共有する場を設けることで、全国に展開できる人材育成モデルを構築。

グループ② 「水産業」×「若者の魅力不足」×「IoT・AI」
 ビッグデータとAIで漁獲量を最適化し、資源を維持しながら効率化。水産業を儲かる仕事にすることで、若者にとって魅力ある職場へ。また、金沢の観光地の混雑問題(オーバーツーリズム)をIoTで解決し、観光客を分散。

グループ③ 「電気自動車」×「野生動物」×「食材の安全性」
 野生動物を検知して安全に走行する電気自動車と、食材が「生焼けだよ」「毒キノコだよ」と喋りかけて安全を教えてくれるサービス。

グループ④ 「空き家問題」×「高齢化」×「IoT・AI」
 IoTで電気ポットの使用状況を監視し安否確認。AIとの日常会話で孤独を解消し、遺言書作成もサポート。亡くなった後は、AIとの対話履歴から遺品整理のアドバイスを提供。

グループ⑤ 「ICT技術」×「交流・つながり」×「医療」
 ビデオ通話やメタバース、VRから、ホログラムや透明ディスプレイ、五感の表現へと進化。誰でも簡単にオープンに使える技術により、遠隔地同士のつながりを強化し、医療分野での遠隔診断などにも活用。

地域の課題解決から夢のある未来まで、参加者の皆様の柔軟な発想により、技術が社会に実装された際の具体的なイメージを共有する場となりました。

連続セミナーのご案内

 本セミナー「○○と知〜新たな学び」は、2025年度の毎月第3水曜日に定期開催しております 。イノベーション論だけでなく、組織・通信・量子技術など、毎回異なるテーマで最先端の研究者が話題を提供します 。

【開催概要】

【今後のラインナップ】

  • 2/18 (水): 不確実性と知(JAIST 吉岡 秀和 准教授)
  • 3/18(水): 未来へのまなざしと知(JAIST 白肌 邦生 教授)

 科学技術と私たちの未来について、肩肘張らずに語り合える場として、皆様の継続的なご参加を心よりお待ちしております。

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