menu

SC18に出展しました

created by 本郷研太 | Publication

JAISTブース

 

 

情報社会基盤研究センターは、2018年11月11日から16日まで米国テキサス州ダラス(会場: Kay Bailey Hutchison Convention Center)で開催されたハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野における世界最大規模の国際会議・展示会「SC18」に参加・出展しました。

 

本センターからは、井口教授、執筆者(本郷)が参加し、HPC関連研究に興味を持つ本学スパコン・ユーザー学生3名(前園研D3秦肯君、上原研D3大内康治君、井口研M2根田巧君)が同行しました。ブースでは、本学概要、本センター概要、MPC概要、及び、学系研究室(上原研/井口研/前園研/谷池研/本郷研)からの研究概要についての展示を行いました(上図)。

 

期間中の来客者数は300名程度で、国内外の高等研究・教育機関の研究者や大学院生、センター系の技術職員、ベンダーの研究者・技術者・営業など様々でした。最新技術動向に関する情報交換がメインであるものの、本学ブースを訪れた学生の場合にはインターンシップの受入先としての可能性を探るなど、目的も様々で、単なるHPC先端技術に関する情報収集目的に留まらず、学生獲得にも繋がる活動の場になっているという印象を受けました。

 

HPC先端技術動向としては、ARMプロセッサ掲載機や高速次世代メモリ搭載ストレージに関する展示が目立ちました。ポスト京コンピュータでも、ARMv8+SVEが採用されることになり、HPC分野でもARMが存在感を増していました。また、量子コンピュータに関連する展示が増えたことも、今回のSCで特筆すべき点だと思います。その他、本学スパコン設備の更新機種選定の情報収集を目的として、ベンダー主催のユーザー会に参加し、SX-Aurora TSUBASA/NEC、Superdome Flex/HPE、SHASTA/Crayなどの計算機に関する最新情報を入手することができました。

 

SCではスパコン性能のランキングである「Top500」の発表も行われます。1位は米国オークリッジ国立研究所の「Summit/IBM」で、日本勢のトップは産総研の「AI Bridging Cloud Infrastructure; AIBCI」で7位に留まりました。HPC分野では従来「科学技術計算」をターゲットとしてきましたが、最近の動向としては、AI分野におけるビッグデータ処理の要請から、AIBCIのように、人工知能/AI分野でのHPC利用も大きな関心を集めています。国別のスパコン保有台数で、米国は常にトップを走っており、数年前までは日本も2位につけていましたが、最近は、米国に迫る勢いで、中国が躍進している状況です。HPC分野は、これまで科学技術計算という極めて専門性の高い閉じた分野となっていましたが、AI分野での計算機リソースの要請から、HPC分野の裾野が拡がっていることが強く印象に残るSCでした。

Back