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SC19に出展しました

created by 太田光一 | Publication

情報社会基盤研究センターは、20191117日から22日まで米国コロラド州デンバー(会場:Colorado Convention Center)で開催されたハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野における世界最大規模の国際会議・展示会「SC19」に参加・出展しました。

 

本センターからは、井口教授、執筆者(太田)が参加し、HPC関連研究に興味を持つ本学スパコン・ユーザー学生2(井口研Mの稲葉君、前園研MGenki)が同行しました。ブースでは、本学概要、本センター概要、MPC概要、及び、学系研究室(山口()/井口研/前園研/谷池研/本郷研)からの研究概要についての展示を行いました(上図)

 

期間中の来客者数は170名程度で、国内外の高等研究・教育機関の研究者や大学院生、センター系の技術職員、ベンダーの研究者・技術者・営業など様々でした。最新技術動向に関する情報交換がメインであるものの、本学ブースを訪れた学生の場合にはインターンシップの受入先としての可能性を探るなど、目的も様々で、単なるHPC先端技術に関する情報収集目的に留まらず、学生獲得にも繋がる活動の場という印象を受けました。

 

HPC先端技術動向としては、富士通のARMプロセッサ掲載機や高速次世代メモリ搭載ストレージに関する展示が多く,特に富士通はFUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX100の後継機ということで大きなブースを展開しており,隣接する理研のブースと合わせて,存在感を放っていました.富士通でも、ARMv8+SVEが採用されており、HPC分野でもARMが存在感を増していました。その他、本学スパコン設備の更新機種選定の情報収集を目的として、ベンダー主催のユーザー会に参加し、Supercomputer PRIMEHPC/富士通、Superdome FlexSHASTA /HPEなどの計算機に関する最新情報を入手することができました。

 

SCではスパコン性能のランキングである「Top500」の発表も行われました。1位は昨年同様米国オークリッジ国立研究所の「Summit/IBM」で、日本勢のトップは8位の産総研の「AI Bridging Cloud Infrastructure; AIBCI」です。HPC分野の最近の動向としては、AI分野におけるビッグデータ処理の要請から、AIBCIのように、人工知能/AI分野でのHPC利用が昨年よりもより大きな関心を集めており,ベンダーも人工知能/AI分野でより利用しやすい設計を想定しているようです。国別のスパコン保有台数においては、Top500のうち中国は228を占め,米国(117)や日本(29)を大きく上回っている状況となり,中国の勢いを感じさせるランキングとなっています。HPC分野は、これまで科学技術計算という極めて専門性の高い閉じた分野となっていましたが、AI分野での計算機リソースの要請から、HPC分野の裾野がより拡がっていることが強く印象に残るSCでした。

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