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第1回COEアドバイザ−委員会

・松本 隆明  NTTデータ技術開発本部長

(1) 法律、制度をベースにそれをITシステムの仕様書と考えるのは非常に面白いアイディア
である。民間企業の活動においては、ビジネスプロセスのモデル化やそのITシステム仕
様への反映化についてはいろいろなところで検討が進んでいるが、法に基づく社会活動基
盤のモデル化というのは新しい取り組みであり、その重要性も高いと考える。
実際、弊社でシステム開発を担当している社会保険庁や郵政公社、国税庁などの社会基盤
システムの設計では、業務内容を熟知しているSEが居ないと設計ができないのが実情で、
1人のSEが何十年も同じシステムを担当している。こうした部分が形式化され、仕様書
の作成に特別な知識が必要なくなればSIベンダとしても要員の柔軟な運用が可能とな
りメリットは大きい。もちろん、作成される仕様書の差別化ができ難くなりSIベンダと
して競争が激しくなるという面もあるが、それよりも昨今のSE不足(2007年問題も
背景にある)への対応や仕様作成時の曖昧さによる後工程での手戻り防止によるメリット
の方がはるかに大きい。

(2) アカウンタビリティの問題も最近特に大きな問題としてクローズアップされている点で
ある。SOX法、新会社法、個人情報保護法など、企業活動にとってガバナンスをきちん
することが必須の要件となってきている。そのためITを用いて統制、透明性をはかるI
Tガバナンスの考え方が最近広まりつつある。企業と同様に、政府、自治体等の社会活動
基盤の提供元も今後は説明責任をますます問われていくのは世の流れであり、アカウンタ
ビリティに関する研究もきわめて重要なテーマであると考える。

(3) 一方、法律には解釈が存在することも事実である。解釈の仕方によっては、それに基づく
ITシステムの仕様も変わってくる。法律をITシステムの基本的な仕様書とすることは
可能であろうが、解釈による部分をどう仕様に反映していくかも重要な課題であると思わ
れる。裁判の判例のようなものをオントロジー化しておくなどの方法もあるかもしれない
が、それはそれで大変な作業となるし、またそれを常に最新化(更新)する運用をどうす
るかなども問題となろう。

(4) 本COEでの人材育成についても大きな効果が期待できると考える。IT人材育成がIT
社会における我が国の最重要課題として認識されつつあるなかにおいて、具体的な実社会
の活動をターゲットとしたモデル化技術を身に付けた技術者が輩出されることは、受け入
れ企業側にとっても即戦力人材として大きな期待が持てる。

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