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第1回COEアドバイザ−委員会

・玉井 哲雄  東京大学大学院 総合文化研究科教授

JAISTの情報科学研究科において,形式推論,形式検証,モデル化の分野できわめて優れた研究者
を有し,また高い研究実績があることは十分に承知していたが,電子社会システムという実際的
な対象に対し,それらの技術がどう生かされるのか,またプロジェクト全体としてどのような統
一的な枠組みが描けるのか,若干の不透明さを感じていた.

それに対し,「法が仕様書だ」というコンセプトで,法文や規則を形式化しそれを仕様や制約と
みなして電子社会システムを構築し,またその正当性,説明可能性,セキュリティ,進化性など
の性質を確保しようという発想は,ユニークで魅力的なものと思った.しかも,その法律として
地方自治体レベルの条例などを具体的に取り上げて,実証性にも期待がもてる.

ただ,法文の論理表現化の研究はすでに歴史が長いが,実用面にまで大きなインパクトを与えて
いる例はあまりないのではないかと思われる.それがこの分野の難しさを表しているとしたら,
論理表現化は十分できたとしても,それを電子社会システムに結びつける具体化の道程には相当
な困難があるのではないか.幸い,この分野の専門家である島津教授,東条教授を擁し,また形
式システム上の推論や検証に一流の研究者がいるので,ブレイクスルーをもたらすことを期待し
たいが.とにかく,具体的な行政システムなり電子商取引システムに対して,簡単でもよいから
目に見える成果を出すことが,肝要だと思われる.

4月24日の発表ではセキュリティや耐故障性の問題について直接の報告がなかったので,当初の目
標からするとその部分が欠落しているのではないかと疑問を持ったが,報告書を見て,どちらの
分野でも若手の有力な研究者が精力的な活動をしていることが分かった.また,当日の発表では,
全体の枠組みについての理解とともに,個々の研究についても興味がもてた.とくに篠田教授の
大規模シミュレータの話とBjorner教授のデジタル権の形式化の話に,感銘を受けた.なかでも
Bjorner氏は来日して2ヶ月で,よくこのプロジェクトの趣旨に沿った研究活動を軌道に乗せたも
のと感心する.

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