発表者:橋本 敬 日 時:2002年12月20日(金) 15時 場 所:知識2-3中間棟2F セミナー室 内 容:論文紹介 The Faculty of Language: What Is It, Who Has It, and How Did It Evolve? Marc D. Hauser, Noam Chomsky, and W. Tecumseh Fitch Science 2002 November 22; 298: 1569-1579. http://www.jaist.ac.jp/~hash/tmp/Chom-Hau-Fin.pdf アブストラクト: 言語の理解には、言語学、進化生物学、人類学、心理学、脳科学等の領域横 断的な協力が必要である。この論文では、言語能力を広義・狭義の二つにわ ける。前者には知覚・運動系、概念・志向系、再帰の計算機構が含まれる。 後者は、このうち再帰のみを含みヒト特有のものであるとする(本論文での仮 説)。ここでは、この狭義の言語能力が言語以外のなにかのために進化したと いうことを議論し、ヒト以外の動物の比較研究を通じて、コミュニケーショ ン以外(数、社会関係等)で再帰の計算が行なわれている事例を探す。 著者のHauserは動物のコミュニケーションの進化の研究、Chomskyは言わずと 知れた理論言語学の巨人、Fitchも動物のコミュニケーション機構、特に発声 器官の研究を行なっている。今年3月に行なわれた言語進化国際会議では、前 2者はランドテーブルディスカッションのパネラー、Fitchは会議のオーガナ イザーである。