日時:1月16日  15:30〜 場所:三練2階小スペースゼミ室 担当:桑村 お題:論文紹介 Timothy van Gelder and Robert F.Port, It's About Time: An Overview of the Dynamical Approach to Cognition,Mind as Motion:Explorations in the Dynamics of Cognition,The MIT Press,1995,1〜45 Abstract 数十年間、認知科学の哲学は「認知システムは特別な一種の計算機であり、ここ ろは計算可能である。」という計算主義に支配されてきた。しかし、時間におい て変化する認知過程の問題やGibsonがアフォーダンスとして提唱しているように 、外部(環境)と認知システムの関係(Gibson,1979)などが指摘されている。そこ で、Tim van Gelderは、「認知システムは、計算機ではなく力学系である。」と 主張し、計算主義の代案としてDynamical approachを提案する。ここでいう力学 系とは、連続時間において、システムが状態変化する系のことを言う。力学系で の変数は相互作用し、お互いに変化していく。認知システムは「環境、身体と、 神経システムの相互作用であり、それぞれの要素は動的に変化する。」という観点 から力学系であると推測する。ここでは、このDynamaical approachをとりあげ、 認知科学における従来のアプローチやその問題点(現実時間の問題など)を検討し 、認知システムを力学系として考察し、Dynamicalapproachが認知研究へ有効で あるか検証する。