金野です 次回茶ゼミのアナウンスです。 担当:金野 日時:10/26(Wed)14:00〜 場所:コラボレーションルーム 3 内容:視覚定位における周辺視反応の考察(論文紹介) 概要: 私の研究では,乳幼児のコミュニケーション能力が意図の共有と伝達の上に成 り立つことに着目し,手始めに能動的主体性を獲得する中で共同注視行動を表 出するモデルを構成した。しかし,このモデルには様々な仮定を置いており, その妥当性を検討することが必要である。 今回のゼミでは,その中でも基本的な既得機能として仮定している周辺視機能 を取り上げる。構成モデルの中では,視覚定位能力の獲得のために,視界に映 る定位対象は視界中心から最も遠くに位置するものが選択されることを単純に 仮定している。しかし,実際の1〜3ヶ月児の周辺視反応は視界中心から段階的 に視界周辺に広がることが確認されている[1]。 結論的には,構成したモデルは乳幼児が3〜6ヶ月程度に達して,周辺への選向 性が獲得された状態であることを仮定できると考えているが,今後,モデルを 拡張していくにあたり,注意の焦点を形成する部分を既得機能として固定化す ることがどのように影響するのかを検討しておきたいと考えている。 そこで,周辺視の選向性がどのような発達傾向を持っているのかを[1]の論文 を紹介しながら明らかにし,それを基にして,注意の焦点が形成される過程を どのように捉えるべきかを議論したい。 また時間があれば,構成するモデルの変更内容に関する状況報告を行なう予定 である。 [1] Atkinson,J.,Hood,B.,Wattam-Bell,J.,Braddick,O.J., ``Changes in infants' ability to switch visual attention in the first three months of life,'' Perception, vol.21, pp.643-653 (1992). 以上 宜しくお願いします。