Title: 「進化的視点からの言語学」 Abstract: 1990年代中頃から、それまで否定的な見地から語られることの多かった言語の 進化的考察が急速にその様相を変え、現在では言語学において最も活発に議論される 分野にまで成長した。 しかしながら、進化を扱う学問はその方法論の特殊さから、既存の科学論では受け 入れ難い側面も多い。1950年代の認知革命以降、ハードサイエンスを一つの目標 とする現代言語学ではこの点が余りよく理解されていないように思われる。本発表では 進化論にある思考法、方法論を考察し、それがどのように現代言語学と結びつけられる かを中心に話を進める予定である。