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視覚・身体認知情報学研究室

「見る」と「からだ」の錯覚を構造的に理解し、
狙い通りに制御する

視覚・身体認知情報学研究室 Visual and Body Cognitive Informatics Laboratory
准教授:森 将輝(MORI Masaki)

E-mail:E-mai
[研究分野]
認知情報学、視覚科学、心理物理学、数理心理学
[キーワード]
錯視、顔知覚、身体錯覚、VR/AR/MR、数理モデル

研究を始めるのに必要な知識・能力

本研究室は、視覚科学、バーチャルリアリティ、身体感覚、社会的コミュニケーションなどのテーマに(いずれかに)関心があり、研究に対する飽くなき探求心や情熱があることを期待します。心理実験、数理・データ科学、情報通信技術のうち、少なくともいずれか1つの知識があることを推奨します。これら以外の分野でも周辺領域のスキルや知識(人工知能、制御工学、計算機科学、身体教育学、アート&デザインなど)を備えている学生や一から徹底的に学ぶ気概のある学生も広く歓迎します。

この研究で身につく能力

学生は3つの能力を身につけていきます。(1)実験設計力:複雑で興味深い認知現象を検証可能な科学として追究していく力を磨きます。例えば、観察対象の物理的性質を制御・計測しながら操作可能な変数に落とし込むとともに、視覚現象を測定するための評価方法の設計・開発に取り組みます。(2)現象数理力:認知現象を数理・統計モデルによって定式化し、認知現象のメカニズムを説明する力を養います。例えば、得られた心理データを多変量解析で分析することや数理モデルを用いてシミュレーションすることを通して、視覚現象を定量的に記述します。(3)トランスファラブルスキル:ソフトウェア開発に必要なプログラミングスキルや研究成果公表に必要な論文・発表の構成スキルを培います。例えば、R / Python を用いたデータ分析やJavaScript / Visual Basic を用いた実験用アプリケーション開発を行います。

【就職先企業・職種】 情報通信、エンターテインメント、ヘルスケアに関する研究職や技術職など

研究内容

視覚・身体認知とは、目で見て得られる外的情報や自身に関する内的情報をどのように感じ取り・捉えているかに関わる心の働きです。視覚・身体認知機序を明らかにし、その知見を環境設計や情報技術開発に活かすことは、人間の特性に適合した包摂的な社会システムを形成する上で重要です。本研究室は、認知情報学(心理実験×数理・データ科学×情報通信技術)の立場から様々な視覚・身体認知現象の理解を進め、人間を取り巻く社会を豊かにすることを目指しています。

(1)錯覚体験の解明・活用・創造

morima1.png本研究室は、心理実験(心理物理学的測定)と数理・データ科学(微分方程式、多変量解析)を用いて多種多様な錯視現象を検証し、新たな錯視パターンの生成や視覚情報処理メカニズムの解明に取り組んでいます。例えば、きらめき格子錯視の空間的性質を明らかにする研究を行っています(業績1)。また、錯視・錯聴コンテストでは、瞬き誘導型主観色、誰でも彫り感増大錯視、カニ歩き錯視を提案するなど創作活動も熱心に行っています。

(2)R-V 連続体基盤における身体的制約の解放

本研究室は、心理実験と情報通信技術(ヘッドマウントディスプレイ、センシング技術)を用いてサイバネティック・アバター技術の実現に向けた基盤研究を行っています。例えば、バーチャル世界におけるアバターは、カメラアングルや演出の都合により半透明や透明にする場合が実利用場面で多々あります。そこで、アバターの透過度をどのように設定すると身体錯覚を演出できるかを示す根拠を実証しています(業績2)

(3)AI・ヒト倫理における安全安心の確保

本研究室は、画像処理・画像生成技術の革新による心理的安全性が侵害されることの理解やXR酔いと関連が深い視覚誘導性自己運動感覚(ベクション)の制御手法を探求しています。例えば、加工された自己顔認知の個人差を探求し、個々の心理的特性に応じたリテラシー教育を考える指針の解明に取り組んでいます(業績3)。また、ベクションが身体運動によって変容されうることを実証しています(Mori & Seno, 2018)。

主な研究業績

  1. Mori, M., Sushida, T., & Kondo, S. (2025). Spatial properties of scintillating grid illusion through visual experiments and numerical simulations. Vision Research, 228, Article 108560
  2. 後藤 慶多・森 将輝・仲谷 正史(2024).透過度が異なるアバターに対するフルボディ錯覚 日本バーチャルリアリティ学会論文誌,29(3),119-126.
  3. Ayase, I., Mori, M., & Kato, T. (2023). Eye size recognition of self and others among people with self-face dissatisfaction. i-Perception, 14(1), 1-14.

使用装置

ハードウェア:視覚実験装置、視環境測定用機器、XR機器など
ソフトウェア:数理・統計・画像解析、コンピュータグラフィックス生成、心理実験・調査用システムなど

研究室の指導方針

本研究室は、学生の強み・関心・能力を最大限に引き出し、尽きることのない探求心や情熱を持ち続けられるように指導することを目指します。研究室主宰者からの指導だけでなく、学生間のディスカッションやアドバイスにより高め合う関係性を大切にします。研究の基盤となる測定・計測スキル、解析スキル、プログラミングスキルを習得しながら、視覚・身体認知の科学技術を探求していきます。研究成果は、国際学会あるいは国際誌で積極的に発表していきます。ゼミや個別ミーティングを積極的に行いながら、ひとりの研究者として国内外で活躍できる力を養います。

[研究室HP] URL:https://morima.asia/

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