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白井研究室

KnOWLab: 知識を活かした次世代AI

白井研究室 SHIRAI Laboratory
講師:ケードキャートカチョーン ナッタウット(KERTKEIDKACHORN Natthawut)

E-mail:E-mai
[研究分野]
知識グラフ、自然言語処理、機械学習、人工知能
[キーワード]
大規模言語モデル、知識獲得、知識表現、埋め込み表現、オントロジー、グラフ機械学習、推薦システム、金融NLP

研究を始めるのに必要な知識・能力

人間のような能力を持つAIを作ることに情熱を持っている学生を歓迎します。線形代数、確率、統計、アルゴリズムの基礎知識やPythonのプログラミング経験があれば望ましいですが、研究室配属後でも学べます。

この研究で身につく能力

知識駆動型AIの開発手法を理解し、自分の興味に基づいて実際の問題を特定し、それを解決する能力を習得します。そのために、1) 知識グラフ(知識の獲得、表現、推論)、2) 自然言語処理、3) 機械学習など、幅広い研究分野の最先端技術を学びます。これらの技術を組み合わせて、自分の研究課題を明確にし、問題解決の手法を追求します。また、学術論文の執筆や研究発表の方法も習得します。これらの経験を通じて、将来のキャリアに必要なAI研究のスキルや批判的思考、コミュニケーション能力を向上させることが期待されます。

【就職先企業・職種】 研究機関、IT 企業、情報システム開発

研究内容

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図1 研究テーマ

我々は知識駆動型AIに取り組んでいます。人間のようなAIシステムを開発するには、AIが実世界の知識を効率的に創造、処理、利用する能力が不可欠です。知識駆動型AI、または知識認識AIとして知られるこの分野は、世界の知識を活かし、機械学習モデルに統合し、高い精度と理解をもって推論、予測、学習を行うことができます。我々の研究には以下の3つの主要なテーマがあります:

知識グラフ

知識グラフ(ナレッジグラフ)とは、実世界のエンティティとその関係を構造化した表現です。このテーマの研究は3つのタスクに焦点を当てています:
 1)知識獲得:機械学習や自然言語処理技術を用いて、非構造化データ(テキストや画像など)や半構造化データ(テーブルデータ)から知識を抽出・統合する手法を研究し、知識グラフを構築します。
 2)知識表現と推論: このタスクでは、知識グラフ補完に取り組みます。グラフ補完とは、知識グラフにおける欠落しているエンティティや関係を予測することを意味します。この分野では、ベクトル空間におけるエンティティと関係の埋め込み表現を学習し、新しい知識や欠落した知識を発見する技術を開発します。
 3)知識グラフ処理: 知識のライフサイクルを処理・管理するために、知識グラフの知識の構築、統合、更新、検証のための技術とフレームワークに取り組んでいます。

知識駆動型AIアプリケーション

このテーマでは、質問応答、チャットボット、知識発見、自然言語理解をはじめとする知識を活かしたAIアプリケーションの開発に焦点を当てています。このテーマは、金融や医学などの様々な領域にも及んでいます。金融領域では、株価予測やポートフォリオ管理の研究を行っています。医学領域では、創薬やパスウェイの予測を研究しています。知識駆動型AIアプリケーションを作るためには、以下のようなタスクが含まれます:
 1)知識モデリング:知識グラフの埋め込み表現やグラフ・ニューラル・ネットワークを含む様々な技術を用いて、知識をモデル化する方法を研究します。
 2)知識注入:外部知識を機械学習技術に注入するフレームワークを開発します。

パーソナライゼーション

人間の好みをAIアプリケーションに取り込み、統合することで、パーソナルアシスタント、感情分析、推薦システムなどのパーソナライゼーションアプリケーションを開発することに焦点を当てています。深層学習、プロンプトエンジニアリング、強化学習、人間参加型の技術など様々な手法を研究しています。

主な研究業績

  1. Kertkeidkachorn N., Nararatwong R., Ichise R. "UWKGM: A Modular Platform for Knowledge Graph Management." Proceedings of the 29th ACM International Conference on Information & Knowledge Management. 2020.
  2. Pornprasit C. Liu X., Kertkeidkachorn N., Kim S., Noraset T., Tuarob S. "Convcn: A CNN-based Citation Network Embedding Algorithm towards Citation Recommendation." Proceedings of the ACM/IEEE joint conference on digital libraries in 2020.
  3. Kertkeidkachorn N., Shirai K., "Sentiment Analysis using the Relationship between Users and Products." Findings of the Association for Computational Linguistics: ACL 2023.

使用装置

機械学習向けGPUサーバー

研究室の指導方針

研究室では、1対1の面談、輪講、研究ゼミなど、様々な活動を行っています。これらの活動は、AIの研究スキル、批判的思考、およびプレゼンテーション能力の向上を目的としています。メンバー同士の積極的な議論や、日本人学生と留学生とのコミュニケーションを促進するため、プレゼンテーション資料は英語での準備をお願いします。ただし、発表する際は、日本語または英語のどちらで行っても構いません。学生の興味や疑問を深くサポートし、各分野のトップ専門家と連携して、学生の潜在能力を最大限に発揮させることを目指しています。

[研究室HP] URL:https://www.jaist.ac.jp/is/labs/k-natthawut

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