藤本 健造 (FUJIMOTO, Kenzo)教授
マテリアルサイエンス, バイオ機能医工学研究領域
◆学位
博士(工学) 京都大学
◆職歴
2009 - : - 北陸先端科学技術大学院大学 教授
2008 - : - 文部科学省 研究振興局 学術調査官
2002 - 2009 : 北陸先端科学技術大学院大学 准教授
2002 - 2005 : JSTさきがけ研究者「ナノテク融合」領域
1997 - 2002 : 京都大学大学院工学研究科 助教 , Graduate School of Engineering
1994 - 1997 : 日本学術振興会特別研究員(DC1)
: (兼任)
◆専門分野
グリーンサステイナブルケミストリー、環境化学, 機能物性化学, 高分子化学, 有機合成化学, 分析化学, 生物分子化学, ナノバイオサイエンス, ナノ材料科学, ナノ構造物理, ナノ構造化学, 生命、健康、医療情報学
◆研究キーワード
人工DNA, 遺伝子診断, 光遺伝子操作, DNAコンピューティング, DNAメモリー, 生物有機化学, 化学生物学, 核酸化学
◆研究課題
DNAチップを用いた遺伝子解析
酵素が苦手とする基盤上での遺伝子操作への展開を狙い、DNA チップ上での遺伝子解析研究も行っています。このオリジナルな方法論がSNPs解析に有効であり、4種類全ての塩基に対して特異的に選別可能であるだけでなく1塩基欠損したものについても正確に選別できることを見出しています。 備考
DNAナノアーキテクチャーの構築
本研究室ではブランチDNA、カテナンDNA、キャップDNA、クリップDNAといった非天然核酸構造の基本ユニット作成に成功しています。これらは従来の酵素法では非常に難しいとされている構造です。こうした今までにない2次構造、3次構造をもつDNAナノアーキテクチャーを作り上げることで、RNAがそうである様に、構造に依存した新しい物性を生み出すことができるのではと期待しています。 備考
精密有機合成に基づインテリジェント核酸創製
本研究室では分子計算を用いた精密分子設計に基づき有機金属化学を利用した精密合成により高性能機能性核酸を創製しています。今までにない機能を有するインテリジェント核酸を創製し新しい分子素子、新しい分子センサー、新しい材料への応用も行っています。具体的には導電性DNAワイヤーやターゲット遺伝子を見つけ出すDNAセンサー、光によって書き込みできるDNAメモリー、並列処理素子としてDNAを用いたDNAコンピューティングなど目的に応じた機能性インテリジェント核酸を創製しています。 備考
光を用いた新規遺伝子操作法の開発
現在の蛋白工学の基礎となっているのは、1960年代以降発展してきた遺伝子工学であり、さまざまな制限 酵素やポリメラーゼの発見、PCR、DNAシーケンシング法など多くのノーベル賞受賞者を出してきました。こうした既存のバイオテクノロジーが現在の遺伝子診断・及び生化学分野における基礎研究等に不可欠のも のとなっています。しかし、酵素を用いた場合、酵素濃度、pH、温度といった既約条件によりその使用に際して様々な制限を受けています。 本研究室では、これまでの酵素を用いた遺伝子操作とは全く異なる、光を用いてDNAをつないだり切ったりする遺伝子の操作手法論について開発を行うと共にこの技術の応用を行い、ポストゲノム時代において役割を果たすことを目的としています。 備考

■研究業績

◆発表論文
UltraFast PhotoInduced double duplex DNA invasion into a 400-mer dsDNA target.
Siddhant Sethi, Hailili Zumila, Yasuha Watanabe, Junling Mo, Kenzo Fujimoto
Bioorganic & medicinal chemistry letters, 98, 129597-129597, 2024
Acceleration of the Deamination of Cytosine through Photo-Crosslinking.
Siddhant Sethi, Yasuharu Takashima, Shigetaka Nakamura, Licheng Wan, Nozomi Honda, Kenzo Fujimoto
Current issues in molecular biology, 45, 6, 4687-4700, 2023
Effect of Hydrophilic Changes in Base Pair Mismatches on Deamination of Cytosine Photo-crosslinked to 3-Cyanovinylcarbazole
Siddhant Sethi, Kanako Ishino, Kai Takeda, Shigetaka Nakamura, Kenzo Fujimoto
Chemistry Letters, 52, 4, 273-275, 2023
Monotone Control of R Systems
Ryutaro Yako, Daihei Ise, Ken Komiya, Kenzo Fujimoto, Satoshi Kobayashi
New Generation Computing, 40, 2, 623-657, 2022
Photoinduced aggregation of liposome modified with DNA containing ultrafast DNA photo-cross-linker
Kenzo Fujimoto, Masakatsu Ichikawa, Shigetaka Nakamura
Journal of Chemical Technology and Biotechnology, 97, 1, 295-298, 2022
◆Misc
光誘導型double duplex invasion DNAの構築に向けた光架橋型核酸プローブ開発
島原杏実, 平野歩, 渡部康羽, 藤本健造
日本化学会春季年会講演予稿集(Web), 102nd, -, 2022
RNA定量検出に向けた超高速光架橋核酸プローブの開発
篠崎一世, 藤本健造
日本化学会春季年会講演予稿集(Web), 102nd, -, 2022
光架橋型RNA-FISHにおける配列選択性評価
成田泰之, 藤本健造
日本化学会春季年会講演予稿集(Web), 102nd, -, 2022
19F-NMR核酸類解析に向けた光架橋プローブ開発
内藤大暉, 藤本健造
日本化学会春季年会講演予稿集(Web), 102nd, -, 2022
細胞内RNA光編集に向けた光応答性人工核酸開発
多田龍生, 藤本健造
日本化学会春季年会講演予稿集(Web), 102nd, -, 2022
◆講演・口頭発表
周辺配列によって架橋位置をスイッチング可能な新規DNA光反応の開発
日本化学会第104回春季年会(2024), 2024
光クロスリンク能を有する人工核酸を用いた細胞内RNA挙動の光制御
日本化学会第104回春季年会(2024), 2024
可逆的光架橋により高速化したプリン塩基への架橋反応開発
日本化学会第104回春季年会(2024), 2024
ゲノム操作を志向した光を用いた長鎖オリゴ核酸へのDNA2本鎖侵入法開発
日本化学会第104回春季年会(2024), 2024
メチルシトシン選択的光架橋を狙った可視光応答性人工核酸の 開発と応用
2023年度日本化学会北陸地区講演会と研究発表会, 2023

■担当講義

Bioscience and Biotechnology(E), Bioorganic Chemistry, 生命機能工学特論(E), 生物有機化学特論

■学外活動

◆所属学会
高分子学会, アメリカ化学会, 生物物理学会, 日本分析化学会, 分子生物学会, 日本化学会
◆審議会等への参画状況
・ , - 文部科学省 研究振興局 学術調査官 , 2008-

■賞等

・ 文部科学大臣表彰科学技術賞(科学技術振興部門) , 文部科学省 , 2015
・ 文部科学大臣表彰 若手科学者賞 , 2009
・ バイオビジネスコンペ協賛企業特別賞 , 2007