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平成29年度入学式を挙行

 4月4日(火)、能美市辰口福祉会館において平成29年度入学式が行われました。 博士前期課程302名、博士後期課程36名 計338名の新入生が「JAISTの一員として、真摯に学問に取り組み、学生の本分を全うする」ことを誓い、本学慣例の署名を行い、代表者が学長に署名簿を手渡しました。
 続いて浅野学長が、「これからの時代は個々の人間力が問われます。自分で目標管理できる、知的たくましさを持ってください。」と式辞を述べました。

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入学者代表署名
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署名簿を手渡す入学者代表
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式辞を述べる浅野学長
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サックス四重奏

【学長式辞】

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 皆さんは、本日の入学式に出られて、皆さんが卒業された大学の入学式と随分違うなという印象を持たれたのではないでしょうか。入学に際し、宣誓を行うという考え方は初代の慶伊学長が決められたのですが、本学は今でもその伝統を守っています。当時は、学長の最初の言葉も「おめでとう」ではなく、もっと厳しい言葉だったと思います。慶伊先生のお考えでは、大学に入学したこと自身はお祝いするようなことではなく、学生としては決意を述べる場だということで、修了したときに初めて「おめでとう」という言葉でお祝いをすることができるというものでした。

 本日、皆さんをJAISTにお迎えするにあたり、ぜひお伝えしたいこととして、「知的たくましさ」についてお話したいと思います。この耳慣れない言葉は私が学長に就任して以来、最も重要なキーワードとして使っているものです。知的たくましさとは、一言で言うなら、より幅広い経験と知を求める挑戦力を持っていることです。不断のチャレンジ精神を持っていることも重要です。決して途中で挫けない粘り強さがこれに加われば、どの世界でも成功できる力が得られるでしょう。より幅広い経験を得るためには一箇所に留まるのではなく、異なる経験を求めて、異なる土地、異なる分野に進出することが必要です。都会と田舎の両方を経験することも大事でしょう。分野を変えるのは容易ではありませんが、現在専攻している分野とは異なる新しい分野に変更する勇気を持つことが重要だと思います。新しい環境というのは常に厳しいものです。未経験の場所に飛び込むには相当の勇気と覚悟が必要です。何かを変えた人は、その勇気があることを示したということだけでも評価されるべきであると信じています。

 政府が昨年定めた第5期科学技術基本計画(The 5th Science and Technology Basic Plan)によると、「ICTの進化等により、社会・経済の構造が日々大きく変化する『大変革時代』が到来」しようとしている現在、「先を見通し戦略的に手を打っていく力(先見性と戦略性)と、どのような変化にも的確に対応していく力(多様性と柔軟性)を重視」していくという方向性が示されています。この方向性はまさに「知的たくましさ」に合致していると思います。今までの教育では物事を理解する力が大事だと言われてきました。従って、評価についても理解力を試すものが多く、試験の点数だけで評価が定まっていました。しかし、これからの時代は、個々の人間力が問われる時代となってきました。人間力をどのように評価すべきか、決定的な方法はまだありませんが、多分、ルーブリックのような手法を使うのではないかと思います。本学では大胆な改革を通して、知的にひ弱な学生ではなく、自分で目標管理できる「知的にたくましい」学生の育成をしていきたいと考えています。

 今年の正月に私はスポーツの中継を楽しんでいました。中でも箱根駅伝とラグビーが好きで見ていたのですが、箱根駅伝を3連覇した青山学院大学の原監督と、9連覇を成し遂げた帝京大学の岩出監督が同じことを言っていたのが印象的でした。ひと昔前まで、大学の体育部というと上級生には絶対服従という伝統があったと思います。そのような環境では選手は育たない。改革が必要だと考えられたのが、原監督と岩出監督です。まず二人の監督が学生に求めたことは、選手個々に目標設定と管理を任せたことです。例えば、マラソンの場合は、自分で具体的な目標を設定させ、自分で決めた目標をどのような練習で達成するのかも考えさせるというのです。とにかく、選手に自分で考えさせる空気づくりを徹底したというわけです。
 本学でも自分で目標を設定し、管理できるような学生を育てたいと思っています。皆さんは本学に入学してすぐに講義が始まります。どの講義を取るべきかが大切です。1研究科となったので、従来のように別の研究科の講義科目は取れないという制約はなくなりました。十分に自分のキャリア目標・学習目標に照らし合わせて、どの講義を受講すべきかを決めてください。そのときに仮配属の指導教員とよく相談してください。色々な噂話を聞いて焦って沢山の講義を取ることはよくありません。1つの学期で3科目に限定して、確実に単位を取得していくことが大事です。余裕があれば4科目に挑戦してもいいですが、慎重にお願いします。

 本学は留学生が多いことで有名です。ただ、単に留学生が多いということだけでなく、私はこのグローバルな環境を教育に活かしたいと考えています。留学生は全体の約40%にもなります。社会を経験した学生も同じく40%程度いますが、これは留学生の中に社会を経験した学生が多いということも関係しています。とにかく、JAISTは日本の他のどの大学よりもグローバルな環境を実現しています。
 最近ではアクティブラーニングという授業形態が盛んになってきていますが、学部・大学院6年一貫教育を行っている総合大学では6年間同じ学生の持ち上がりで、同じ仲間の意見を6年間にわたって聞くわけです。その点、本学では国も違い、経験も、専門も異なる学生が多数いるので、特にグループ学習を行うと、様々な意見が飛び出すことになり、それだけ教育効果も上がります。

 JAISTでは、すべての講義科目で筆記試験を課しています。多くの大学ではレポートだけで済ませているのに対して、筆記試験にこだわっているのは、教育の質保証を大事に考えているからです。筆記試験をするとどうしても合格できない学生が出ます。しかし、私の経験では、すべての講義に出席して、レポートもきちんと出した人で不合格になったという学生はほとんどいません。不合格の学生にインタビューすると、ほとんどのクラスに出たというのですが、詳しく聞くと、13回の講義中、10回は出ました、というような答えだったりします。皆さんは、13回中13回出席するのが当たり前だと思って下さい。その覚悟があれば、必ず2年で修了できます。

 最後になりますが、私はよく学校内を歩き回ろうと考えています。もし学内で出会った時には、「おはようございます」とか、「こんにちは」と気軽に挨拶をしてほしいのです。日本社会の礼節を身につけるという意味合いだけではなく、人間的なふれあいの中で大学の雰囲気に暖かさと和みが醸し出されると思っています。
 皆さんがこれからJAISTで充実した日々を送られ、自分の将来のために積極的に「何かを変えて」いかれることを期待して祝辞とさせていただきます。

平成29年4月4日

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