2009年4月

 生物を構成する多様な分子を「物質」として捉え、物性物理と分子科学の立場から実験的・理論的にそれらの分子あるいは分子集合体の電子状態を解明し、物質科学を基盤として生物機能を理解することを目指す。

 丁度4年前から(第1回の会合は2005年2月3日)、福山秀敏氏を中心にして、JSTや理研からの支援のもとに上記の目標に向かっての活動を進めてきた。JSTの福山領域からの支援による、月に1度程度の頻度で開いた小規模の会合や理研でのまとまった研究会、北陸先端大での小規模の研究会、昨年秋の物理学会でのシンポジウムを経て、昨年末には固体物理から「生物物質科学」(bio-materials science)の特集号の発行までに至った。

 従来、わが国の分子固体の研究は世界の最先端にあり、生物物質科学はこの研究を生物物理、生化学へと繋ぐ自然な道筋である。更に飛躍的な進展をもたらすため、次のような進め方を検討している。

研究会

 主として理化学研究所において企画する、生物物質科学の多角的な発展を目指す、物性物理+分子科学+生物学の学際的な研究会。

研究討論会

 生物物質科学に関わる具体的な課題の集中的検討が必要な段階において、当該課題の研究の深化を目指した小規模の研究討論会を企画する。
 主として北陸先端大学の東京サテライトキャンパス(田町にある東工大のキャンパスイノベーションセンター内)にて2ヶ月に1度程度の予定で会合を開き、研究討論会の内容が十分に充実した段階では、年に1度の予定で北陸先端大(能美市)で開催する。