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藤波研究室

心と体のあいだで知を探る

藤波研究室 FUJINAMI Laboratory
教授:藤波 努(FUJINAMI Tsutomu)

E-mail:E-mai
[研究分野]
身体知、介護支援
[キーワード]
身体技能、存在感通信

研究を始めるのに必要な知識・能力

長期の訓練と探究を経てひとつの技能を獲得した経験、それに伴って発達したであろう自己分析と創意工夫の能力が求められます。センサーを使ったデータ収集のためのプログラミング能力、および得られたデータを解析する技法を習得していれば有益です。

この研究で身につく能力

系統的に問題に取り組む方法。現象を観察して正確に記述する能力、その中から重要な点を見つけ出す能力、気づいた点を他の人にわかりやすく説明する能力。そこにはデータを収集して解析し、結果をわかりやすく提示することも含まれます。言葉にしにくいことに形を与えるのが我々の仕事であり、(一見)わけのわからないものに対して着実にアプローチしていく方法を学びます。

【就職先企業・職種】 電機メーカー、自動車製造業など

研究内容

fujinami1.jpg
動作解析の様子
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ダンスのレッスン中
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情報機器を用いた見守り

私たちは経験を通して体で覚える知識に興味を持っています。特に、「技」と呼ばれるものに関心があり、その特徴と習得過程を明らかにしようとしています。技には二つの側面があります。ひとつは動作が複雑で高度であること、もう一つは知覚や判断の能力が優れているという側面があります。前者については、陶芸の菊練りやサンバのリズムに乗って踊ることなど、伝統工芸や音楽を題材に取り組んでいます。後者については、認知症高齢者の介護を題材に、他者のニーズを感じ取る能力を明らかにしようとしています。

1. 身体知

陶芸における菊練り、サンバのリズムに乗ってステップを踏む(ダンス)、サッカーのドリブル、三味線のバチさばきなどを題材として、熟練者と初心者の動作がどのように異なっているのか、モーションキャプチャ装置などを使って調査しています。研究の成果はロボットの動作に応用したり、初心者が技能に習熟する過程を支援することなどに応用できると考えています。

2. 技能習得

人間はどのような過程を経て特定の技能を習得していくのかを明らかにしようとしています。多人数を対象として長期間、追跡調査を行っていく必要があるため、題材としてはサンバのダンスを取り上げ、近隣の高校などにご協力いただきながら習得過程を調べています。研究成果は技能習得支援システムの開発に結び付くと考えています。

3. 認知症高齢者の介護支援

日本は超高齢社会に突入し、20年後には人口の2割以上が65歳以上の高齢者となると予想されています。また、認知症を患う人の割合も上昇し、概算では100人のうち2人が認知症高齢者となると予想されます。この問題に取り組むため、我々は良い介護とは何か、良い介護を実現するために必要な技術は何かを研究しています。

主な研究業績

  1. Yuqi Liu, Lai Kecheng, Tsutomu Fujinami, Learning Effect of Strength Training System for Beginners Using Motion Capture Device, 2022 IEEE International Workshop on Sport Technology and Research 2022年7月.
  2. Kecheng LAI, Yuqi LIU, Takehiro IINO, Tsutomu FUJINAMI, Analysis on Mechanisms of Idea Generation: Evidences from fNIRS Hyperscanning, 6th International Conference on Medical and Health Informatics (ICMHI 2022).
  3. Yuan Ma, Tsutomu Fujinami, A modified n-back task measuring working memory via eye-tracker 20th WPA Word Congress of Psychology 2021年3月.

使用装置

モーションキャプチャ装置
ハイスピードカメラ
人流センサー

研究室の指導方針

ゼミ等は授業期間中、週に1度実施し、毎回1名か2名の担当者が研究の進捗状況を報告したり、興味のある論文の内容を解説したりしています。留学生もいるので言語は日本語と英語の両方を用い、適宜、発言内容を翻訳することで全員参加出来るよう工夫しています。質問の仕方、議論の仕方を学ぶのが主たる目的です。個人指導が中心であり、必要に応じて面談しています。研究の進捗状況にもよりますが頻度は月に1回から4回程度となることが多いです。研究テーマやアプローチは個性を尊重しています。

[研究室HP] URL:https://www.jaist.ac.jp/~fuji/index.html

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