池研究室

リアルな環境でロボットを動かす研究スタイルに魅力を感じています。

  • リ・ホウセイさん

    リ・ホウセイさん

    2022年入学

    博士後期課程。中国出身。画像認識やニューラルネットワークを用いた移動ロボットの走行制御や除雪ロボットの研究に取り組む。
  • 久米桜華さん

    久米桜華さん

    2025年入学

    博士前期課程。愛媛県出身。高専で情報工学を学び、現在は仮想空間上でロボットの挙動や課題を整理し、改良につなげる研究を行っている。
  • 財部駿星さん

    財部駿星さん

    2023年入学

    博士後期課程。宮崎県出身。電気情報工学を背景に、池研究室ではロボットの自律移動や画像認識に関する研究を行っている。
  • 鶴田聖明さん

    鶴田聖明さん

    2025年入学

    博士前期課程。石川県出身。地元の雪問題に関心を持ち、池研究室で除雪ロボットと自動運転の研究に取り組んでいる。
  • 池勇勳准教授

    池勇勳准教授

    韓国出身。無人移動ロボットによる知的環境センシング技術の開拓など、ロボット技術を通じて様々な方面からの社会実装を目指している。

北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の池研究室を選んだ理由は?

リさん

子どもの頃からラジコンが好きで、遊びながら機械や電子部品に触れてきました。その延長線上に、ロボットや自動運転に興味を持ちました。大学院進学を考える中で、論文をきっかけに池研究室の存在を知りました。実環境でロボットを動かしながら検証していく研究スタイルは、頭の中だけで考えるのではなく、自分の手で確かめたいという考え方に合っていると感じました。研究室の規模も大きすぎず、教員と近い距離で議論できる点にも魅力を感じました。

財部さん

もともと宇宙分野に漠然とした憧れがあったのですが、卒業研究や講演を通して、宇宙環境や暗所環境など、厳しい環境でもロボットが自律的に動く研究に惹かれるようになりました。池研究室では、そうした制約のある環境を前提に研究が行われており、テーマの設定から検証まで、自分で考えながら研究を進められる点にも魅力を感じました。

鶴田さん

県外の大学に通う中で、将来は地元である石川県に関わる研究がしたいと考えるようになりました。なかでも雪は、冬の暮らしの中で当たり前のように向き合ってきた存在で、生活に直結する身近な課題でもあります。進路を考える中で雪と自動運転について調べていくうちに、池研究室の除雪ロボットの研究を知り、実際の雪の中でロボットを動かし、検証しながら研究できる環境に惹かれ、進学を決めました。

久米さん

これまでロボットを専門に学んできたわけではありませんが、高専時代のグループワークをきっかけに、ロボット研究に興味を持つようになりました。進学を考える中で池研究室をインターンシップで訪れ、基礎的なところから丁寧に話し合いながら研究を進めている様子を見て、「専門外からでも無理なく挑戦できそう」と感じたのが、進学を決めた理由です。

池准教授

学生が自分の興味や問題意識を出発点に、実際の環境で試しながら研究を進められる場をつくりたいと考えています。環境を整えることは簡単ではありませんが、その分、工夫や発見が生まれやすい。そうした課題に向き合える学生と一緒に研究できる環境を大切にしています。

現在はどのような研究を行っていますか?

鶴田さん

現在は、積雪環境における除雪ロボットの走行可能領域の検出をテーマに研究しています。雪に覆われた路面では、段差や障害物の判別が難しくなりますが、センサ情報や画像データをもとに、安全に走行できる領域を見極める手法を検証しています。実際の雪の中でロボットを動かしながら、机上だけでは分からない課題に向き合っています。

財部さん

洞窟や地下構造物など、十分な光源が得られない極限環境下において、ロボットによる環境認識技術の研究を行っています。一般的なカメラでは対応が困難な暗黒環境を想定し、環境中に散布した発光材料から得られる特徴量を利用して、高精度な三次元地図の構築やロボットの自己位置を推定する手法を検証しています。

リさん

除雪ロボットの自律走行を中心に、画像認識と機械学習を組み合わせたナビゲーションの研究を行っています。遠隔操作で取得した走行データを学習に用い、ロボットが自ら判断して動けるようにすることが目標です。雪が降る時期には屋外で実験を行い、試行錯誤を重ねながらアルゴリズムの改善に取り組んでいます。

久米さん

イベントカメラを活用した認識技術の研究に取り組んでいます。高速で動く物体や明暗差の大きい環境でも情報を取得できる特性を生かし、ロボットの認識性能向上を目指しています。これまで情報系を中心に学んできましたが、実際にハードウェアに触れながら研究を進めていくのが楽しいですね。

池研究室の魅力を教えてください。

財部さん

挑戦できる環境が整っている点に魅力を感じています。学会への参加や新しい機材の導入に対しても前向きで、「まずやってみよう」という姿勢が研究室全体に根付いています。失敗しても否定されるのではなく、次につなげる前提で研究を進められるため、自分の考えを積極的に試せる環境だと感じています。また、先生から的確なアドバイスをいただける点も大きな魅力だと思います。

久米さん

専門外からでも研究に入りやすい点です。基礎的な部分から丁寧に話し合いながら進める雰囲気があり、分からないことをそのままにせず相談できます。インターンシップで訪れた際、その姿勢を実際に見て安心感を持ちました。それと、これはJAIST全体に言えることなのですが、設備や機材が充実しているところも魅力に感じています。

リさん

実環境でロボットを動かしながら研究を進められるところです。頭の中だけで考えるのではなく、自分の手で確かめながら検証できる研究スタイルが合っていると感じました。それと、研究室の規模が大きすぎず、教員と近い距離で議論できることも魅力です。池先生は学生とも対等に向き合ってくれるんですよ。

鶴田さん

僕もリさんと同じく、実際の雪環境の中でロボットを動かし、検証しながら研究できる点に魅力を感じています。シミュレーションだけでなく、現場で試すことで初めて分かる課題が多く、雪国ならではの環境を生かした研究ができることに魅力を感じています。

池准教授

週に一度は必ず全員で集まり、ここ1、2週間で何をしたかをフランクに共有する。研究の相談だけでなく近況も含めて話しやすい雰囲気にして、困りごとが早めに表に出るようにします。また、教員として研究の大きな方向性は示しますが、細かな発想や研究の進め方については、学生から学ぶことも多いと感じています。若い世代ならではの柔軟な視点に触れることで、自分の考えが更新されていく。その関係性を保つためにも、一方的に教えるのではなく、学生が考えたことを言葉にし、試せる環境を整えることを心がけています。

研究をする上で心がけていることは?

リさん

学会や研究発表の場を成長の機会として捉えることです。論文の文章が苦手で池先生には何度も直してもらいましたが、「まず直した点を反映して出してみよう」と背中を押されたことで前に進めた気がします。学会でも準備前から助言をもらって、終わった後に自分の成長を実感できました。

久米さん

分からないことを溜め込まず、早めに言葉にして相談することを心がけています。私はつい抱え込みがちですが、先輩が研究会で気軽に質問する姿を見て、あの動きを真似したいと思いました。途中でも聞いて前に進めるようにして、研究のリズムを崩さないようにしたいです。

鶴田さん

「何をしたいか」より先に、研究の背景や目的をきちんと整理することを意識しています。ただ手法を試すのではなく、「なぜこの研究をやるのか」「何が課題なのか」を意識しながら論文を読んだり、実験を進めていかないと、結果の意味も見えにくくなると感じています。

財部さん

失敗を糧にして研究を進めることを大切にしています。思いどおりにいかないことも多いため、「うまくいかなかった理由」を次にどのように生かすかを常に考えるようにしています。先生の「天才ではないのなら、真面目にコツコツ」という言葉も常に意識しており、これからも結果が出ないこと自体を否定的に捉えるのではなく、成長のための積み重ねとして前向きに受け止めていきたいと考えています。

池准教授

学生それぞれの志向に応じて、進路につながる研究テーマや経験を用意することを意識しています。研究者を目指す学生には学術性の高いテーマを、就職を志向する学生には応用性の高い研究を通して、社会で自立して考え、行動できる力を身につけてほしいと考えています。

卒業後の進路について。将来はどのような職種を目指していますか?

鶴田さん

石川県内の企業に就職して、理系のエンジニアとして地域に関わることを目指しています。研究で扱っているテーマも石川の課題につながっていて、ここで育った自分はこの土地が好きだと再確認しました。業界は絞り切れていませんが、インターンシップで見た産業機器や機械系の現場でも、学んだ技術が生かせそうだと感じています。

リさん

卒業後は企業に就職し、画像認識や機械学習に関わる技術開発に携わる予定です。そういった意味では、ロボット研究で培った「センサ情報をもとに判断し、行動につなげる」という考え方は分野を問わず応用できると感じています。将来的には、企業にいながらも大学や研究者と連携し、研究に関わり続ける形を目指しています。

久米さん

現時点では進路を一つに決め切れておらず、就職活動を通して模索している段階です。情報系を軸に考えていましたが、研究室でハードウェアやセンサに触れたことで選択肢が広がりました。まずは博士前期課程をしっかり修了することを目標に、自分が本当に取り組みたい分野を見極めていきたいと考えています。

財部さん

将来は研究者として、極限環境下で賢い行動生成を行うロボットの研究に携わりたいと考えています。博士後期課程修了後は、大学や企業の研究所など、研究を継続できる環境への進路を視野に入れています。特に、社会実装を見据えた技術開発に取り組みたいです。

池准教授

進路は一つに決めることより、社会のニーズと先端技術をつなぐ視点を持つことが大事だと伝えています。企業に行っても、技術をどう組み合わせれば新しい機能になるかを考える力は武器になります。

それでは最後に。ここだけの話、池准教授に伝えたいことはありますか?

リさん

もうじき修了して研究室を離れますが、これで関係が終わるとは思っていません。研究の相談はもちろん、これからも一緒に話したり、飲みに行ったりできたらうれしいです。企業に進んだ後も、技術や研究で何か力になれることがあれば、ぜひ声をかけてほしいです。

久米さん

研究や進路について、もう少し先生と話す時間があったらうれしいなと思っています。忙しいのは分かっていますが、研究室での何気ない相談や雑談の中から得られるものも多いと感じているので、これからもコミュニケーションを大切にできたらと思います。あと、完全に私の願望ですが、研究室に女の子がもう少し増えたら心強いと思っています!

財部さん

正直「こうしてほしい」というより感謝が大きいです。入学当初は文章表現や説明において至らない点ばかりでしたが、先生方の丁寧な助言をいただき、少しずつ論文やスライドが形になってきました。先生方は安易に答えを示すのではなく、改善点を示してくださるため、自ら考えて修正する力が着実に身についたと実感しています。

鶴田さん

正直、特別に不満があるわけではなく、今の環境にありがたさを感じています。強いて言うなら、研究室がけっこう寒いので、ヒーターがあると助かります!

池准教授

みんなありがとう。修了後も関係を続けたい、という話はとてもうれしいし、プライベートでも当然つながりは持てます。研究面でも、修了生が毎年顔を出してくれたり、採用の場でリクルーターとして戻ってきてくれたりする関係はすでにあります。博士まで進めばプロの研究者になるので、将来は共同研究など、仕事としてのつながりも形にしていけたらうれしいですね。