Exploratory Research Award
 

萌芽研究賞

『 シビックテックにおける技術者と非技術者の間の協働を促進する要素に関する研究 』
Study on Factors for Promoting Collaboration
between Engineers and Non-engineers on Civic Technology

大西 翔太,小林 重人,橋本 敬(北陸先端科学技術大学院大学)

【PDF(478KB)】

 2018年度知識共創フォーラム「萌芽研究賞」は,複数の審査員による厳正なる発表評価のもと,上記発表に対して与えることを決定いたしました.本賞は,テーマセッションおよび一般セッションにおける発表研究を対象とし,知識科学の展開に寄与する優れた内容を持ち,今後さらなる発展が大いに期待される研究に対して与えられます.

 本論文は,技術者と非技術者が継続的に協働する仕掛けという着眼から,シビックテックコミュニティにおける協働を促す要件に関する仮説を明確に立て,それに応じた分析手法を緻密に展開したうえで,協働に関する新しい理論の創出につながる知見を導いている.コミュニティの中でどのように知識創造・価値創造がなされているかを対象とした研究は,知識共創フォーラムの中核をなす研究テーマの一つであり,知識科学の展開に寄与する優れた内容を持ち,さらなる発展が大いに期待される優れた萌芽研究と認めることができる.
 今後,知識共創セッションでの議論を基礎にして,シビックテックの特性・特徴をより的確にとらえた指標の抽出,知識共創コミュニティを対象とする研究という立場からは,オープンソースソフトウェアのコミュニティに関する研究をはじめ,研究開発マネジメント分野等との関係性の言及などの課題を克服していただきたい.
 また,本研究のアプローチを,様々な特性のコミュニティの多様な協働形態に対する仕掛けづくりに展開し,そこで積み上げられた成果に基づいて,一般理論に昇華させることができれば,知識社会に不可欠な協働コミュニティの成熟過程を理解し,促進するうえで重要な理論的基礎となるポテンシャルがある.
 このような観点から研究を推進し,より進んだ段階での知識科学への貢献・飛躍を期待し,知識共創フォーラムの萌芽研究賞を授与するものである.