中村くん(2015.3博士卒)の研究成果に関する論文が、Chemical Communicationsの背表紙に採択されました。

中村重孝くん(2015.3博士卒)の研究成果を中心とした論文が、英国王立化学会刊行Chemical Communications誌(インパクトファクター 6.718)の背表紙(Back Inside Cover)に採択されました。本年5月にも藤本研究室の別の研究成果が同雑誌で表紙掲載となっており、連続しての表紙採択となっています。

■ 掲載誌
  Chemical Communications (Royal Society of Chemistry)2015年 11765-11768頁
■ 論文タイトル
    Photo-cross-linking using trifluorothymidine and 3-cyanovinylcarbazole induced large shifted 19F MR signal(3-シアノビニルカルバゾールとトリフルオロチミジンの光架橋によって大きな19F核磁気シグナルシフトを誘起できる)
■ 論文詳細
  http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2015/cc/c5cc02972d#!divAbstract を参照ください
■ 内容等
      当研究室では核磁気共鳴(NMR)信号の尖鋭性と高い生体組織透過性に着目し、一般的な蛍光プローブでは不可能であった生体内核酸の検出を可能とする分子 プローブの開発を行ってきました。今回、細胞内DNA染色試薬として知られるビスベンズイミド誘導体にフッ素化合物を導入した新たなDNA検出プローブを 合成し、DNAと混合したところ、DNAとの結合により大きく19FNMRケミカルシフトが変化すること、また、この変化幅が標的塩基配列によって異なる ことが明らかとなり、水溶液中に存在する塩基配列の異なるDNAを 「見分け」、一斉に検出できることが明らかとなりました。
    さらにDNAとの結合により蛍光強度が40倍程度増加すること、細胞内に容易に浸透し核DNAと結合可能できることも明らかとなったことから、生体内DNAの検出を可能とする新たなタイプの分子イメージングプローブとしての応用が期待されます。