運動アッセイのシミュレータ
解説
我々の研究室ではマイクロパターンをもちいてキネシン・微小管の運動方向を制御することに成功しました。微小管の運動を自由に操り微小空間内の輸送素子として利用したいと考えています。しかしどのようなパターンを使えばどのような振る舞いをするか一つ一つパターンを作って試していくのは大変な労力が必要です。そこで、デザインしたパターン内での微小管の振る舞いを予想するシミュレータをImageJのPluginとして作製しました。微小管の運動のシミュレーションは岐阜大学の新田高洋先生が研究なされております。本プラグインはその原理の一部を利用しております。
このシミュレータでは、ImageJで白黒パターンを描き(白いところにキネシン分子が結合していて、その領域を微小管が動くと想定)、シミュレータを実行するだけで微小管の動きが表示されます。さらに表示モードを変えることで本物そっくりの動画を作ることも可能です。
(注意)パターン境界での微小管の振る舞いはこのPluginではまだ完全に再現されていません。あくまでもマイクロパターン内での微小管の運動の仕組みを理解するためとしてご利用ください。
使い方
- プラグインのjavaのファイル(ファイル:MotilityAssay Simulator.java)をダウンロードする。
- ImageJのフォルダ(/ImageJ/plugins)の中に新規にフォルダを作成しダウンロードしたファイルを置く。
- ImageJ からこのプラグインをコンパイルして実行する。(メニュー[Plugins]>[Complie and Run..]でダウンロードしたファイルを選択)
- 「Setting」というダイアログが現れるのでオプションを選択して「OK」で実行。(予め用意されたパターンが表示されます)
- シミュレーションの画像にマウスのポインタを持っていきaltキーを押して終了。
ヒント
- コンパイル後ImageJを再起動させると、メニューの[Plugin]にこのプラグインが追加される。以後コンパイルの必要はない。
- 実行中にshiftキーを押すと表示スピードが変わる。
- 白黒のパターンを描きそれを前面に表示させてこのプラグインを起動すると、そのパターンの内での動きがシミュレートされる。
- 選択ツールでパターンの一部の領域を選択すると、微小管の初期の位置をその領域に限定できる。
その他
- Simulating molecular shuttle movements: Towards computer-aided design of nanoscale transport systems 新田先生のシミュレーションの論文
- ImageJ Imageのホームページ