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JEITA知識情報処理技術に関するシンポジウム
集めないビッグデータ(2)
— 個人データの安全な活用に向けて —

日時: 2014年4月24日(木) 10:00〜17:00

会場: 東京大学山上会館 大会議室external link

お申込み: http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/page/detail.cgi?n=668&ca=1

趣旨:

個人データの管理における安全性とは、本人に不利益なデータ利用を防ぐということです。これは、(1)データ利用を許可する者(複数可)の認証を厳しくし、(2)本人の利益に即して判断する人を許可者に含め、(3)一度に漏洩するデータを少なくすることにより実現できます( (2)は(3)を含意します )。もちろん集中管理( (1)のみ )より本人による分散管理( (1)+(2)+(3) )の方が安全です。

一方、個人データの管理における利便性には、個人的利便性(B2Cサービスの本来の価値)と社会的利便性があります。前者は本人に役立つことで、後者は本人を含むとは限らない多くの人々の役に立つことです。

安全性と個人的利便性を高めるには本人が常に関わる仕方で個人データを管理するのが望ましいわけですが、データ利用の可否を本人がすべて直接判断するのは煩雑でしょうし、また社会的利便性を高めるにも、データ利用の許可にいちいち本人が直接関わらない方が良いかも知れません。本シンポジウムでは、安全性と利便性をバランス良く両立させながら個人データを活用する方法について、技術や制度などの観点から議論します。

プログラム:

10:00〜10:50 開会挨拶 + 趣旨説明
       橋田 浩一氏 (東京大学/JEITA知識情報処理技術専門委員会委員長)
医療や介護や教育などのサービスの価値は第一義的にはサービスの受容者たる個人にとっての価値だから、個人データを本人が管理すること(本人による分散管理)により本人の利益に合うデータ流通を促進することが産業や文化の発展において必須である。さらに、本人の利益を越えた社会的価値を向上させるには、ある程度の集中管理が必要だろう。このような観点から検討すべき課題を提示する。

10:50〜11:40 OpenIDと個人データの共有(仮題)
       崎村 夏彦氏 (野村総合研究所)

11:40〜13:00 昼休み

13:00〜13:50 プライバシ保護技術(仮題)
       高崎 晴夫氏 (KDDI総研)
ビッグデータ時代を迎えプライバシー保護と利活用のバランスをどうとるかが大きな課題となっている。我々は、個々の利用者の方のプライバシー保護に関するポリシーに配慮し、サービス提供者側のプライバシーポリシーとのマッチングを図る他、活用情報の可視化やコントロール機能を付与することで、プライバシー保護に配慮したプラットフォーム(プライバシーポリシーマネージャ)の開発・構築を目指している。

13:50〜14:40 番号制度とデータ連携の在り方
       須藤 修氏 (東京大学)
2013年5月、いわゆる番号法が国会で成立した。これから国民および長期居住の外国籍を有する人に番号がふられる。番号を付与された個人データ(特定個人情報と呼ばれる)はまさに分析可能なビッグデータになり、また厳格な情報保護も求められる。この講演では、番号制度とシステム構成、ビッグデータに関する課題と展望について述べたい。

14:40〜15:30 個人データの管理とプライバシー
       宮内 宏氏 (宮内宏法律事務所)
プライバシーを保護しつつ個人データを有効に利用する方法としては、本人の同意を得て利用する方法と、一定の範囲の利用を法的に許可する方法があげられる。本講演では、前者について真摯な同意の取り方、後者について社会的利益とプライバシー侵害の均衡を中心に検討する。

15:30〜15:40 休憩

15:40〜16:55 パネルディスカッション
       座長 出口 弘 (東京工業大学)
       パネリスト
        橋田浩一(東京大学)
        崎村 夏彦 (野村総合研究所)
        高崎 晴夫 (KDDI総研)
        須藤 修 (東京大学)
        宮内 宏 (宮内宏法律事務所)

16:55〜17:00 閉会挨拶
       橋田浩一氏(東京大学)

以上


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