人間中心設計推進機構(HCD-Net)のイベント「UXクロス」第3回:HCD × 文化人類学 に登壇。(2026/3/12)
https://peatix.com/event/4852013
第3回テーマ:HCD × 文化人類学
「人間中心設計(HCD)」は、単なる方法論を超えて、人の行動や背景にある価値観を深く洞察する姿勢そのものが重要視されています。そこで今回、あらためて注目したいのが文化人類学の視点です。文化人類学は、人々の行動・価値観・意味づけを、その背景にある文化や文脈から読み解く学問であり、HCDが求めてきた「本質的なユーザー理解」、さらには人間と対象の関わり合いを捉え直す視座として強く響き合います。
今回のイベントでは、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)教授・伊藤 泰信(いとうやすのぶ)先生をお迎えし、「文化人類学×HCD」という観点から議論していただきます。
伊藤先生の専門は文化人類学であり、現場密着型の質的調査「エスノグラフィ(ethnography)」の実務応用研究・実践を日本においていち早く推進してきた第一人者として知られています。ニュージーランドの先住民マオリ(Maori)のコミュニティを対象とした長期のフィールド調査経験を経て、その知見を企業組織や研究所、医療現場などでの応用的な研究へと展開し、人間中心設計の研究者や実務家らとの協働も重ねながら、産業やデザインの現場での実践的意義を見つめつつ、「ビジネス人類学」や「デザイン人類学」の可能性と限界を見極める探究を行ってきました。
文化人類学者が実践するエスノグラフィは、人々の日常生活や組織の営みのなかに入り込み、当事者自身も言語化しきれない行動の背景をつまびらかにし、また、人間と環境・モノがどのように関わり合い、意味を紡ぎ出しているのかを、現場の文脈から明らかにする手法です。このアプローチは現在、医療・科学技術・ビジネス・デザインなど多様な領域で強力なツールとして活用されつつあります。
文化人類学の視座は、単なる定性的調査にとどまらず、製品・サービスや組織を利用する人々の潜在的なニーズや価値観を掘り起こす洞察を提供します。また、人間が世界をデザインし、ユーザーや消費者といった人間と対象とが相互構成的に変化し続ける関係性について掘り下げます。それは、従来のアンケートやインタビューでは捉えきれない言語化されない行動の意味を捉える力や、自分との関係のなかで対象を捉え直す動態的な視点を育み、人間中心設計の実践力を一段と高める鍵となります。
HCD の実践をより本質的に捉え直したい方、ユーザー・学習者を深く理解するための方法論を探している方にとって、非常に示唆に富んだ機会となります。ぜひご参加ください。
■登壇者プロフィール
伊藤 泰信 教授
北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)先端科学技術研究科教授。博士(比較社会文化)。専門は文化人類学。科学技術・医療・ビジネス・デザインなどの領域における人類学の実務応用研究(ビジネス人類学・ビジネスエスノグラフィ)を推進。企業向けのエスノグラフィ研修や医療者向けの人類学教育も積極的に行っている。日本学術会議会員(第一部)、藤田医科大学 医学部 客員教授、金沢大学 医学類 基礎医学教授(学外)。著書に『先住民の知識人類学──ニュージーランド=マオリの知と社会に関するエスノグラフィ』(世界思想社、第7回日本オセアニア学会賞受賞)、訳書に『ビジネス人類学の教科書』(ナカニシヤ出版)など。
水本 徹 氏
人間中心設計推進機構 副理事長
ゲームメーカーや医療機器メーカーをはじめとする幅広い分野で、人間中心設計やUXデザインを活用した製品の企画・開発や新事業開発に従事。その経験を活かし、現在は組織へのHCDプロセスやUXデザイン導入のコンサルタントとして活動している。企業向けセミナーの講師や、複数の大学での非常勤講師も担当。
■日時:2026年3月12日(木) 18時30分~20時30分 (受付18時00分~)
※終了より21時までネットワーキングの時間を設けます(自由参加)
■場所:LODGE
千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー LINEヤフー株式会社
■タイムテーブル:
18時30分~18時35分 開会ご挨拶、UXクロスについて(水本氏)
18時35分~19時45分 伊藤先生ご講演
19時45分~20時30分 会場の声から考えるディスカッション
(伊藤先生 × 会場参加者 / ファシリテーション:水本氏)
※進行により、時間配分を変更する場合があります
20時30分~21時00分 ネットワーキング(自由参加)