伊藤研 修了生の小野田敬さんの論文が国際会議AHFE HSSE 2026においてBest Paper Awardを受賞しました。(2026/7/22)

修了生の小野田敬さん(現・名古屋工業大学 特任准教授)と社会システムマネジメント研究領域の伊藤泰信教授の論文が、The 13th
International Conference on the Human Side of Service Engineering
(HSSE 2026) において、Best Paper Awardを受賞しました。(2026/7/23)

HSSE 2026は、令和8年7月20日~25日にかけて、トルコ・イスタンブールにて開催されました。

■受賞年月日
令和8年7月22日

■研究題目、論文タイトル等
What Aspects of Tacit Knowledge are Structurally
Excluded From Generative AI?: A Conceptual Framework of Mediation,
Structure, and Representation

■研究者、著者
Takashi Onoda, Yasunobu Ito

■受賞対象となった研究の内容 本研究は、近年急速に発展する生成AI(大規模言語モデルやマルチモーダル基盤モデル)の研究において、暗黙知がどのように扱われ、またどの側面が理論的前提から捨象されてきたのかを概念的に問い直したものです。暗黙知を単なる暗黙の能力としてではなく、①形式知への接続過程としての「媒介(mediation)」、②社会的・文化的成立条件としての「構造(structure)」、③暗黙知を観察・分析対象として構成する「表象(representation)」の3つの分析的観点から整理しました。
その結果、現在の生成AIは人間の判断や行為に見られる暗黙的要素の「外形的再現」に一定の成果を示している一方で、その成立条件である媒介プロセスや社会的背景・構造、さらには表象実践を設計対象としていないことを明らかにしました。本研究は、生成AIをめぐる議論において性能や応用可能性などの技術的検討が先行する現状に対し、暗黙知がいかなる前提のもとで成立しているのかを問う「理論的検討の重要性」を提示しています。

■受賞にあたって一言
このたびHSSE 2026にて栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。今回の受賞を励みに、今後もより一層研究に精進してまいります。

より詳細な内容として、研究イノベーション学会が発行する論文誌『研究 技術
計画』(2026年41巻2号)に特集「生成AI時代における知識科学再考」
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jsrpim/41/2/_contents/-char/ja
の一環として発表された、以下の論考をご参照いただけましたら幸いです。
・小野田敬・伊藤泰信「生成AIは暗黙知をどこまで扱っているのか?:媒介・構造・表象の観点からの理論的検討」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsrpim/41/2/41_95/_article/-char/ja
・伊藤泰信「知は伝達されない:生成AI時代の知識と文脈をめぐる人類学的ノート」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsrpim/41/2/41_161/_article/-char/ja/