上原研究室

幅広い分野の研究者が在籍するアカデミックな環境。研究に集中しやすく、異分野との交流はモチベーションにもつながります。

  • 後藤大河さん

    後藤大河さん

    2022年入学

    愛知県出身。博士前期課程。趣味はスケートボード。
  • セン・ムタクさん

    セン・ムタクさん

    2019年入学

    中国安徽省出身。博士後期課程。趣味は料理。なかでも麻婆豆腐が得意。

北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)を選んだ理由は?

後藤さん

ものづくりの世界への憧れから、大学では機械工学を専攻していました。在学中は機械系のエンジニアを目指して就職活動もしていたのですが、ITエンジニアの仕事に興味が芽生えて、情報工学の領域をイチから学び直すつもりでJAISTに進学しました。大学で内部進学する選択肢もありましたが、せっかく新たな分野に挑戦するなら環境を変えてみるのもありかなと。そういった意味ではJAISTは理想的でした。なぜならJAISTは国際色が豊かで、様々な分野の学生が集まってくる場所だから。僕と同じく専攻を変えて異分野の研究をする学生も多く、そうしたチャレンジ精神が旺盛な人たちとの交流が、自分自身を成長させてくれるのではないかという期待もありました。

センさん

大学ではコンピューターサイエンス(情報科学)を専攻。卒業後はソフトウェア会社でシステム開発に携わっていました。昔からとにかく問題を解くのが好きで、競技プログラミングに熱中していた時期もあったくらいです。学びを深めるために日本に移住してから、しばらくは日本語学校に通っていました。そこでお世話になった先生に「修士の資格を取りたい」と相談した所、紹介してくれたのがJAISTでした。オープンキャンパスに参加して感じたのは、学校全体が研究に集中できるアカデミックな雰囲気だということ。その際に見学をした上原研究室の存在も進路を決める後押しになりました。上原教授が研究の軸に置くアルゴリズムはコンピュータープログラムの本質でもあり、先生のもとで研究を行うことで、効率的で高品質なプログラムを作成するための知識を身につけられると思ったんです。

JAISTへの入学前や入学当初に不安だったことは?

後藤さん

前向きな気持ちで大学院への進学を決めたとはいえ、専攻を変えることに多少の不安はありました。専門的な知識を持たない状態で、他の学生と一緒に学んでいくわけですから。実際にゼミに参加した当初は話が理解できず、挫折しそうになったこともありました。しかも入学してすぐにコロナ禍になって授業はオンライン。相談できる仲間を作る機会もほとんどなく、完全に疎外感を感じてしまっていました。そんな中、1月に上原教授に相談に乗っていただき、一から頑張ろうと考えなおし、それからゼミにも積極的に参加するようになりました。

センさん

一番不安だったのは言語の問題です。果たして日本語学校に1年間通っただけの語学力で、周りの学生や先生と交流することができるのか。ただ、JAISTは全学生の3〜4割が僕と同じ留学生だと聞いていたので、気持ちの面での安心感はありましたね。入学して4年が経った今となっては、国籍に関係なくしっかりとコミュニケーションが取れるようになりました。

JAISTに入学してよかったと感じることは?

後藤さん

内部進学のある一般的な大学院とは違って、JAISTに集まるのは外部からの入学生だけです。それの何が良いかというと、なんのしがらみもなく全員が同じスタートラインに立って研究できるんですよね。学部も国籍もバラバラだし、社会人経験者も少なくない。これほど学生のバックグラウンドが多彩な大学院ってほかにあるのかと思うくらいです。まさに人種のるつぼ。自分にはない経験をしてきた人たちとの交流は、本当に刺激になります。

センさん

専攻科目に関係なく、自分の好みで授業を選ぶことができる所ですね。私自身は情報工学を専攻しながら社会学の授業に出席して、社会調査の仕方やデータ分析の方法などを学びました。このふたつは直接的には関係ないかもしれませんが、物事の捉え方として異分野から学ぶことは少なくないと思っています。スパコンをはじめ最先端の実験設備が充実している点も、研究者としては魅力に感じます。

JAISTでのとある一日の過ごし方を教えてください。

後藤さん

朝が弱いので昼前くらいに起きることがほとんど。とくに明確なコアタイムもないので、起き抜けに研究室に向かって計算折り紙の難問に取り掛かり始めます。とくに大掛かりな装置も必要ないので、そのまま自宅でやることもありますね。研究が終わった後は近所のコンビニでアルバイト。空いた時間は最近ハマっている編み物をしていることが多いです。

センさん

朝はできるだけ早く研究室に向かって、頭がスッキリしている午前に研究に取り掛かることが多いです。午後は研究室のセミナーやゼミに参加。隙間時間には論文を読んだりしています。移動手段は電車とバス。学校からシャトルバスが出ていて、最寄りの鶴来駅周辺にはスーパーなどもあるので、生活面でとくに不便は感じていません。

最後に、未来のJAIST生へメッセージをお願いします。

後藤さん

JAISTは専攻を変えたいと思っている人におすすめの環境。周りにも新しい分野を学びに来ている人が多いので、自分だけが浮いてる感覚もありません。大学院のある能美市旭台は自然豊かな場所でありながら、金沢市の中心部まで車で30分とアクセスも良好。研究にも集中しやすいし、なかなか良い場所だと思います。

センさん

自分が専攻する分野の知識だけに固執せず、ぜひ他の領域の授業やゼミにも参加してみてください。他分野のコミュニケーションは自分自身を成長させてくれる。自然と視野が広くなって、人生の可能性も膨らむはずですよ。