Beyond M-BIP

◇ M-BIP Stories Vol.7 2020年度 最優秀賞、NEDO賞、JBMC賞 崇城大学

学生を対象としたビジネスアイデアプランコンペティションM-BIP(Matching HUB- Business Idea Plan Competition)の、歴代の受賞学生を紹介する 「M-BIP Stories」。経験したからこそ分かるM-BIPの感想や将来の夢とともに、これからM-BIPに挑戦する学生の皆さんへのアドバイスやエールもお聞きしています。

今回は、昨年のM-BIPで最優秀賞を受賞した、崇城大学生物生命学部応用生命科学科の中畑敏哉さんにお話を伺いしました。受賞後、中畑さんのチームは、M-BIPを通じて紹介された企業と、起業に向けて具体的な話を進めています。(以下、敬称略)

 


 

2020年度 最優秀賞、NEDO賞、JBMC賞
「光合成細菌由来の藻類活力剤の製造・販売」
リーダー:中畑 敏哉(崇城大学 生物生命学部 応用生命科学科4年)
メンバー:岩井 蘭子、稲田 慶后

概要:微細藻類を屋外解放で大量培養すると、特に高温期にストレスがかかることで、増殖低下や原生物(動物プランクトン)による捕食被害が発生する。この問題に対し、光合成細菌という細菌を活用して解決する。この光合成細菌から開発した微細藻類活性化剤「Algae Power(アルジ パワー)」は、藻類を活性化してストレスに強くし、増殖を促進する。これにより微細藻類の安定生産を実現する。

 

― 中畑さんは大学1年次から起業部に所属していますが、起業には以前から関心があったのですか?

はじめは部に入っただけでそれほど起業に興味があったわけではありませんでした。崇城大学の起業部は部員数がとても多いクラブで、そうした中に身を置くうちに、熱心に活動している部員に刺激を受けて、1年生の夏休みには本気で部の活動をするようになりました。地元の鹿児島県鹿屋市に帰った時、盛んな一次産業の分野で、地域の活性化のために何かできないかを関係者に聞いてまわるなかで、だんだんと起業を意識するようになった感じです。地域の課題を解消することや、地域の役に立つことが地方創生につながると思っていて、この考えはM-BIPの応募テーマにも通じています。

― M-BIPの応募テーマを「微細藻類」にした理由は何だったのでしょうか?

応用生命科学科で学んでいることと起業部での活動を合わせられるものにしようと考えました。微細藻類を取り上げたのは、学科の先輩でチームメンバーでもある岩井さんが研究をされていて、「一緒にやろう」と声をかけてもらったことがきっかけです。そして同じく誘われた稲田さんと3人でチームを組んで研究を進めました。

左から岩井蘭子さん、中畑敏哉さん、稲田慶后さん

― では、そのテーマで昨年のM-BIPに応募した経緯を教えてください。

実は、前年の2019年の2年生の時にもPlameat(プラミート)というチームで、違うテーマを掲げてM-BIPに応募しました。一次審査を通過してポスターセッションまで進むことができたのですが、実際に会場に足を運ぶと、とても多くの方々とお話しできたことが印象的でした。いろんな分野の企業の人から自分たちの企画やプランに対する意見を聞かせていただいて、中には「手伝えるところがあるかもしれないね」と言ってくださる方もいました。あんなにたくさんの企業の方々と話すことは経験したことがなかったので、「いいイベントだなぁ」と素直に感じたことが心に強く残っていて、次の年も応募しようと決めました。

― そして見事に最優秀賞を獲得されましたが、当日のことを覚えていますか?

プレゼン前に感じていたプレッシャーや心配、不安を乗り越えて受賞できたことはとても嬉しかったです。そして、自分がビジコンで発表してこういう最優秀賞が獲れたのは初めてだったので、感慨はひとしおでした。と同時に、ホッと安心した気分になったことを鮮明に覚えています。あと、発表を終えた応募テーマについて、審査員の方々から質疑応答でいろんな声をかけていただいたり、表彰式でも審査員の方から「これからを期待しています」と言っていただいたりしたことで、本気で起業に結びつけなければとその時に意を決した記憶があります。

― コロナの影響が続いていますが、中畑さんは2019年のコロナの前と、2020年のコロナ禍でのM-BIPに参加されましたが、何か違いを感じましたか?

正直に言って、あまり変わらないなぁ、という感じでした。当時はコロナの感染拡大に関するニュースばかりで、社会があれだけ騒いでいたにも関わらず、徹底した感染予防対策によって前年と同じ環境を整えていただいたのは、本当にありがたく思いましたね。

― 今年のM-BIPへの応募を考えている学生さんにメッセージをお願いします!

学生が社会人の前でプレゼンすることは大変だと思います。中でもM-BIPのように、凄い審査員の方々を目の前にして、自分の考えや思いを伝えるのは本当に難しいです。ですので、プレゼンまでにたくさん練習して、自分が思い通りの発表ができるように準備することが大切だと思います。そうすることで出場できたら、M-BIPの経験はきっとこれからの人生でとても貴重なものになるはずです。

― 最後に、中畑さんのこれからの抱負を聞かせてください。

まずはM-BIPで受賞したプランで起業することが目標で、その実現に向けて活動を続けています。そして、起業だけではなくて、自分の考えの根本にある、地域の活性や本当に困っている人をサポートすることにも取り組んでいきます。そうした課題の解消を、自分たちのプランでやり遂げることができたらいいですよね。

― 今後のご活躍を期待しています。本日はありがとうございました。

 


今年のM-BIPの応募締め切りは今週金曜日の10月1日です。

応募はこちらから。

皆さんのアイディアをお待ちしています。