JAIST東京社会人コース
JAIST東京社会人コースとは?
JAIST東京社会人コースは,現役で企業などに務めている社会人向けに,仕事をしながら修士や博士の学位(知識科学,情報科学)を目指すための特別コースです。
社会人向けに特化しているので,仕事をしながらでも講義を履修して必要単位を修得できるよう,時間割は平日夜と週末にがっつり詰め込まれています。また,講義によってはハイフレックス方式をとっており,遠隔地で受講できる場合もあります(すべての講義がそうではないと思います)。
詳しくは公式ページで確認してください。
東京サテライトキャンパス
JAIST東京サテライトキャンパスは,品川駅から直結の品川インターシティ内にあり,通学には非常に便利な場所にあります。
東京サテライトキャンパスに行くためには,2か所のゲートを通る必要があります.
(1か所め) エレベーター前のゲートは,学生証(東京サテ学生)またはゲート通過用QRコード(石川学生/学外の人)が必要です(教職員は職員証)。
※石川キャンパス所属の学生の学生証では通過できません。
ゲート通過用のQRコードは,東京サテライトの事務職員さんにお願いして発行してもらう必要があります。また,QRコードは1日限り有効なので,数日間続けて訪問する場合は,訪問する日数分のQRコードの発行を受ける必要があります。
(2か所め) キャンパス入口のゲートは,学生証(東京/石川問わず)または職員証があれば開けることができます。
※石川キャンパスも8:00以前,18:00以降はキャンパス入口や研究棟間のドアが施錠されますが,東京サテ所属の学生も学生証があれば解錠できます。
東京サテライトキャンパスには,大きめの講義室や小さめの会議室,ラウンジ,書庫などがあります(詳しくは公式ページ)。
各部屋は講義だけでなく,研究の個人面談などにも利用されます。部屋の予約は指導教員が行い,部屋の使用には教員の同席が必要で,学生だけでの利用はできないようです。
どんな学生がいるのか?
東京サテライトの学生は,原則として仕事をされている方のみになります(中には仕事を辞めて研究に専念するという人もいる)。
どんな仕事をしているかというのは一概には言えませんが,教育職であったり,研究職であったり,開発職であったり,取締役であったりとさまざまです。
所属する研究室によっても,仕事内容に偏りはあると思います。例えば,経営系の研究室には社長が多かったりとか,基礎研究系の研究室には純粋に自分の興味を追い求めて本職とはまったく違うことをしに来ている人もいたりします(「学生」のページもご覧ください)。
修士課程から入ってくる人で研究職の人は少ない印象ですが,博士課程から入ってくる人はすでに(企業などの)研究職に就いているという人も割といます。
また,内部進学予定で修士から入ってくる人の中には,すでに修士号を持っている人もいます。JAISTでは研究分野を変えるから,あえて修士から入り直して基礎から始めるという人も少なくないです(分野によって研究のお作法などは大きく異なる場合も多いので)。もし,すでに修士号を持っていて,博士課程への進学を考えている場合は,希望する指導教員の先生と相談して,修士課程から入り直すのがよいのか,そのまま博士課程に入るのがよいのかを決めるとよいでしょう(私はどちらのケースの人も見たことあります)。
どんな生活になるのか?
講義は基本的に平日夜と,週末は終日開講されます。
そのため,仕事が終わったらすぐに品川に行き講義を受ける,週末も講義で潰れるといった感じになると思います。ただ,講義は在籍中に分散して取ることもできるので,少しずつ履修するという人もいれば,最初の方にすべての単位を取り切って,その後は時間に自由が利く状態を作るという人もいると思います。
人によって仕事も違いますし,一概にこんな感じにするとよいとは言えないので,自分の生活スタイルに合った履修の仕方を考えておきましょう。
研究については,オンラインでの個別指導がメインになると思います。
多くの先生方は,Zoomなどのビデオ会議システムを使用して,顔を見ながらのミーティングをしています。テキストだけで指導している先生はおそらくいません。
そのため,どのような頻度でミーティングの機会を作るかなども考えておいた方がよいでしょう。毎週または隔週といった定期ミーティングを組む人もいれば,研究が進んだ時点でミーティングを申し込むといった人もいます(それでもある程度は定期的にやらないと,研究が進むまでミーティングができないという底なし沼に嵌ります)。
研究室によっては,石川で対面で行っているゼミを社会人学生も参加できるよう,ハイフレックスにして,ゼミの時間を夜にするなど工夫しています。それができない場合は,オンラインのみで社会人ゼミといった別枠を組んでいる場合も少なくないと思うので,ゼミには積極的に参加した方がよいです。
ゼミに参加することで,一人で研究しなければいけないという孤独感が和らぎますし,同じ目標を持つ学生同士刺激し合える貴重な機会でもあるので,できる限り時間を作ってゼミには参加しましょう。
研究の対面指導は受けられるのか?
指導教員の先生と対面でミーティングする機会はあるのか?という疑問もあると思います。
東京サテ学生が先生と対面ミーティングできる機会ももちろんあります。
一つは,休みを取って石川キャンパスに数日間滞在し,集中ミーティングをするという方法です。
この方法は,仕事を何日か連続で休む必要がありますが,普段と違う,研究だけに集中できる環境に身を置くことができる,先生と集中的に議論ができるほか,対面ゼミに参加したり,石川キャンパス所属の学生とも議論や交流ができるので,刺激になるという人は多いです。
石川キャンパスを訪問する場合は,キャンパスすぐそばにある石川ハイテク交流センターでお安く宿泊することができます。こちらは,減免申請を指導教員の先生からしてもらう必要があるので,ハイテクセンターに宿泊をすることを先生に伝えておきましょう。
ただ,ハイテクセンター周辺は何もないので,JAISTにアクセスしやすい金沢駅周辺や金沢野町周辺,小松駅周辺に宿を取る人も少なくないです(訪問経験が多い人ほどその辺に宿を取って,観光を楽しんでいるようです)。
リフレッシュがてらおいしい物も楽しみに,ぜひ石川キャンパス訪問も検討してみてください。
もう一つは,指導教員の先生が東京に行く機会を狙ってミーティングを申し込むといった方法です。
先生方は,東京サテでの講義であったり,学位論文審査であったり,学会であったりと,東京に行く機会が割とあります。
先生が東京に滞在しているタイミングと自分の時間の都合が付けば,東京サテライトなどで対面ミーティングをすることもできます。
先生によっては,この日に東京に行くからと,面談希望者を募ったりしてくれることもあります。そのような声かけがない場合でも,講義がある日はわかると思うので,その日に時間を取ってもらえないか確認するといったことはできます。もしくは,自分から先生が東京に来る機会がないかを聞いてみるというのも大事かもしれません。
いずれにしても,先生が東京に滞在する機会は貴重だと思いますので,声かけがあった場合や,東京滞在の予定を確認できた場合は,躊躇わずにミーティングを申し込んだ方がよいでしょう。
学位論文審査・学位記授与式
東京サテ学生の学位論文審査は,東京サテライトキャンパスで行われます。
形式は石川キャンパスと同じです。
学位論文審査を受ける学生や実施場所などの情報と発表の要旨は,学生メーリングリスト宛に事前にメールが配信されます。この機会に他の人の審査を見ておけば,自分が審査を受けるときのために心の準備ができますので,できるだけ時間を作って見に行くのがよいでしょう。
学位論文審査の前には中間発表もあります。他研究室の先生方に発表を見てもらう貴重な機会ですので,ぜひ参加しましょう。
それぞれの時期や手続きは石川の学生とほぼ変わりませんので,「研究」のページや
「スケジュール」のページで,各学年でやるべきことをしっかり確認して,計画的に研究を進めるのがよいと思います。
学位論文審査に合格すると,翌月には学位記授与式があります。
学位記授与式は石川キャンパスで行われますので,東京サテ所属の学生も参加できる人は石川に来て参加しているようです。
特に博士課程修了者は,学位記授与式の日にアカデミックガウンの貸出があったり,一人一人壇上で学長から学位記を受け取る時間があるので,記念に参加している人は多いと思います。
社会人コースはきついのか?
私は東京サテ所属の学生ではないので,実際にどんな感じなのかは身近な人たちを見た感じでしかお伝え出来ませんが,東京サテ所属の人はスムーズにいく人とそうでない人は割とはっきり二分しそうな感じがしました。
まず,修士課程について,学部までしか経験がなく,初めて修士課程で本格的に研究を経験するという人はかなりしんどそうな印象でした(しんどそうだったけど2年間で修了していった人ももちろんいますし,年限が来てしまって退学になった人もいます)。
しんどい理由は,そもそも研究では何をどのようにやったらいいのかわからなかったり,仕事との両立がうまくできないということであったり,研究のやり方がわからなくなったときなどに周りにすぐに聞ける人がいなかったりといったことがあると思います。
博士課程については,一度修士課程を経験している分,基本的な研究のやり方が全くわからないといった躓きはあまりないと思います。
ただ,博士課程の修了要件には時間がかかる査読論文の採択や国際会議での発表などが含まれているため,仕事との両立で思うように研究に時間を割くことができない場合は,かなりきついと言ってよいでしょう。むしろ,そこが一番の悩みだともいえるかもしれません。
あとは,強いバイタリティであったり,ちょっとやそっとのことでは落ち込まないような強いメンタルがないときびしいかもしれません。
順調に学位を取れそうな社会人学生は,修士課程においては,過去に一度修士課程を経験している人であったり,時間のやりくりがかなりうまい人だったりするのだと思います。博士課程においては,仕事でしている研究の延長で博士論文を書ける人であったり,仕事を辞めるなどして研究に専念できる人であったり,やはり時間のやりくりがうまい人であったりするのだと思います。
比較的時間のやりくりがうまい人であっても,仕事の関係でそもそも時間が取れず,研究が進められないといったこともしばしばあるようです.
社会人コースの多くの人は,わりと長く在籍している印象があります。
標準修業年限で修了していく人はあまり多くないのではないかと思います(私の周りの人を見ている感じでは)。
仕事も忙しい時期やそうでない時期があると思いますので,うまく時間を使うことを意識するのが大事です(電車での移動中などに論文漁りをしているといった人もいました)。
修了のための策は?
多くの社会人学生の悩みは,仕事で研究の時間が思うように取れないことではないかと思います。
そこで,時間に関してできる対策としては,長期履修制度を使うのがまず一つだと思います。本来,修士課程の標準修業年限は2年,博士課程では3年となっていますが,長期履修制度を利用すると,追加の学費を払うことなく各課程の標準修業年限に1年分を追加することができます。
つまり,修士課程は2年分の学費で3年間,博士課程は3年分の学費で4年間在籍可能となります。
もし,研究の進捗が思ったより良かった場合は,長期履修制度を使っていても,短縮申請をして早めに修了することも可能です。
長期履修制度を利用できる時期は決まっていますので,長期履修制度を利用する場合は,指導教員と研究の進め方をよく相談しておきましょう。
時間が足りなくて修了が危うくなってきたと感じたら,休学するというのも一つの手です。
ただ,休学というカードはできるだけ最後の最後まで取っておきましょう。どう考えても時間が足りないと思ったときに使うのがよいと思います。
仕事や家庭のことがあまりにも忙しくて一切研究に手が付けられないといった場合は仕方ないと思いますが,そうでない場合はできる限り時間を見つけながらがんばった方がよいです。いざという時に休学というカードがもう切れないという事実は,追い詰められてつらいと思います。
休学する場合は,復学時期もよく確認して申請してください。休学についてはこちらのページもご覧ください。
初めから長めの時間をかけて研究するつもりであれば,長期履修制度を申請,在籍可能年限間近で明らかに時間が足りないと判断された場合は休学を申請するのがひとつの戦略ではないかとと思います。
また,毎日誰かしら学生や先生と顔を合わせる石川の学生と比べて,東京サテ学生にとっては孤独との戦いも大きいと思います。
孤独対策には,講義などで知り合いを増やしたり,先生とのミーティングを定期的に行ったり,ゼミに参加したり,石川キャンパスに遊びに行ったりといったことがやはり有効なのではないかと思います。
会社に行ったり,家に帰れば話せる人はいるとは思いますが,研究や学生生活について話せる仲間がいるというのは結構大事です。なので,できるだけたくさんの同士と知り合いになることをお勧めしたいです。