特別セッション

オーガナイズド:ネットワーク組織におけるオープンソース的開発の可能性

21世紀は情報ネットワークの時代として,工業化社会における階層的組織よりも,むしろ農業の時代の労働形態に似つつある.世界規模の情報通信インフラを活用することで,マスコラボレーションによる開発・生産が既に現実化し,製造業を含む多くの産業における協業プロセスに影響を与え,とりわけソフトウェア開発においてはオープンソースが必要不可欠となっている.そこで,沖縄の伝統的労働交換の仕組み「ユイマール」や,代表的なWebブラウザ「Firefox」の事例を通じて,有能な人材が参加するようにコミュニティをどう維持運営していくのか?,特にネットワーク分析のアプリケーション開発や自律的な並行分散イノベーションの観点から議論したい.


パネル討論:いまインターネットで何がおこっているのか

インターネットは,ネットワークのネットワークといわれるように, 各サブネットワークの自律性,サブネットワーク同士の柔軟な接続性,通信機能階層化モデルによる階層間独立性によって発展し,今日では社会経済活動における重要なインフラとなっている.しかしその自律性・拡張性により,インターネットトポロジー全体を把握することは困難となる一方,YouTubeのように大量のトラフィックが集中する動画サービス,BitTorrentをはじめとするアプリケーション層上のオーバーレイネットワークなど,インターネット誕生時とは異なるトラフィックパターンを生成するサービスやユーザー行動が顕著化し,トポロジーを意識したトラフィック制御の必要性などインターネットは新らたな局面を向かえているといえる.本パネルディスカッションでは,インターネットの下層部をなすレイヤー1~3(物理層,データリンク層,ネットワーク層)について,ネットワークマネージメント, ルータ開発,ルーティングプロトコル研究の方々を交え,現在のインターネットの構造とトラフィックダイナミックス,現状の問題点と今後のネットワークやプロトコルの設計に関して議論を行う.


企画講演:マーケティング・ネットワークと社会ネットワーク分析