◇M-BIP Stories Vol.2 2020年度 北陸銀行賞、オーディエンス賞 石川県立大学

本学が2017年度から開催している学生を対象としたビジネスアイデアプランコンペティション、M-BIP(Matching HUB- Business Idea Plan Competition)は、今年で5回目の開催を予定しています。これまで全国の学生の皆さんから素晴らしい提案があり、魅力的なプレゼンテーションも行っていただきました。 「M-BIP Stories」では、これまでの歴代の受賞者を訪ねて、M-BIPの感想や将来の夢などを伺いました。彼らの活躍を応援するとともに、これからM-BIPに挑戦する学生の皆さんへのエールをいただきました。

今回は2020年度北陸銀行賞、オーディエンス賞を受賞された石川県立大学のチームにお話をお聞きしました。(以下、敬称略)

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2020年度 北陸銀行賞、オーディエンス賞
「世にも奇妙な保冷剤⁉︎ 〜学習意欲を沸き上がらせる魔法の冷却グッズ〜」
受賞者:リーダー:藤原昌敬(石川県立大学 生物資源環境学部 環境科学科3年(受賞当時))
メンバー:野村智子、仲俣創生、半澤風人/石川県立大学
概要:ヒートパイプ技術を用いた手のひら冷却装置。持ち運びに便利なコンパクトサイズで、パイプ内に危険な物質を入れていないため安全で手軽な冷却グッズ。また、手のひらで沸騰が見られるという利点から、中高生の学習グッズとしても展開したいと考えている。

左から藤原さん、野村さん、仲俣さん、半澤さん

― まず、M-BIPに応募したきっかけを教えてください。

野村 当時、ここにいるメンバー全員が百瀬先生(百瀬年彦准教授)の研究室を志望していて、先生からお声がけいただいたのが最初でした。ビジネスコンテストに出場するのは全員初めてで、アイデアの段階からビジネスに発展させる部分は難しかったです。

― 当日は熱のこもったプレゼンテーションが印象的でした。北陸銀行賞を受賞しましたが、同社からはどのようなサポートがありましたか?

仲俣 現在クラウドファンディングでの資金調達を目指していますが、書類作成の指導や、調達した資金の具体的な配分方法など、いろんなことを教えてもらっています。一般論だけではなく、理に適った資金管理の方法などを教えていただいて、とても勉強になっています。提出書類を作成している時は、わくわくした気持ちになっていたことを覚えています。

― 今皆さんは4年生ですよね。皆さんのそれぞれの「夢」をかなえるために、M-BIPへの参加はどのような影響を自身に与えたと思いますか?

半澤 出身地の北海道に戻り、防災系のコンサルティング企業に就職します。元々地質系や防災系に興味があったので、ヒートパイプは専門ではなかったのですが、とりあえず挑戦してみたからこそ、今の結果があります。Matching HUBの会場では他のM-BIP参加者と話すことができて、人脈がかなり広がったのが印象的でした。いろいろなことに挑戦してみることで道が開けることを、実感できた貴重な機会になりました。

藤原 大学院の修士課程へ進学して、自然栽培の科学的エビデンスを検証したいと思っています。私の将来の目標は研究者になることですので、そのためには研究費を自分で獲得したり、スポンサーを探したりする必要があると想像しています。その時に、M-BIPで学んだビジネスの知識や経験が不可欠になると考えています。

仲俣 石川県内の建設コンサルタントに就職が決まり、生態系保全業務に携わることができればと思っています。M-BIPに取り組んだことで、大学で学んだことがビジネスにつながることを実感できた貴重な経験でした。以前は、こんなことを学んでも無駄ではないかと思ったこともありましたが、今は、どんなに無駄に思えることも将来役に立つかもしれない!と思えるようになりました。これからも多くのことを吸収していきたいと考えています。

野村 私は高校生の頃から教員を目指しています。教育実習先の高校でM-BIPの内容を生徒にプレゼンテーションする機会をいただきました。その時、これから大学などの高等教育機関に進もうとする皆さんに「学問はおもしろいんだよ。勉強はビジネスやいろんなことにつながるんだよ」ということを本心から伝えられました。将来、自分が教員になった時は、ただ勉強を教えるのではなくて、学問がもつ大きな可能性を伝えられる教員になりたいと思っています。

ひと通りメンバーの感想を聞き終えた時、リーダーの藤原さんがこれだけは伝えたいと話し出しました。

藤原 この4人で試行錯誤しながらいろんな問題に取り組むことができたことは、何よりも素晴らしい経験でした。みんなからは、僕にはないところや彼らの良いところをいっぱい吸収できたので、本当にこのメンバーに出会えて嬉しかったですし、一生の思い出になりました。

終始元気に取材に応じてくれた皆さん、チームの仲の良さが伝わりました。
それぞれのご活躍を応援しています!

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M-BIPがきっかけとなり、クラウドファンディングにも挑戦している石川県立大学の皆さん。これからの展開が楽しみですね。
次回は2018年度M-BIP優秀賞を受賞し、現在は起業家として活躍されている株式会社Actra代表取締役 竹内啓人さんのインタビューをお届けします。
今年のM-BIP応募はこちらから。皆さんのエントリーをお待ちしています!