Hokuriku Innovators

音声つぶやきシステムによるAI・IoTイノベーションマネジメント

トランスフォーマティブ知識経営研究領域

内平 直志 教授

企業の研究所でソフトウェアの生産技術や人工知能などの研究に従事した後、プロジェクトマネジャーとして研究開発成果の事業化に携わるようになりました。ここで多くの困難を経験したことから、JAIST東京サテライトにて技術経営・イノベーションマネジメントについて学ぶようになり、知識科学の博士号を取得しました。現在は、JAISTに研究室を構え、地域企業との議論を通じたイノベーションマネジメントの研究を行なっています。

あらゆるモノがネットでつながるIoTの時代を迎え、グローバルな競争が激化する産業界では、新しい価値を創造し、収益に貢献する製品やサービスをどのように生み出していくかが課題となっています。そのなかで今、電気保安分野の産学連携プロジェクトとして、JAIST内平研究室が研究開発を進める「音声つぶやきシステム」を活用した技術継承支援が進められています。

音声つぶやきシステムとは、現場で収集した音声をテキスト化し、準リアルタイムで音声、テキスト、写真の共有ができるシステムのこと。知識や経験、感性をもった人間がその場で感じたことを記録し、それらをIoTのデータと合わせて分析かつデータベース化することで作業効率化やノウハウ継承へとつながり、情報共有と高いレベルの技能習得が可能になると期待されています。

技能者の高齢化や人材不足などの課題を抱える企業では、知識や技能の継承は喫緊の課題であり、そのような背景から一般財団法人北陸電気保安協会(富山県)において、電気点検・保守時にこの「音声つぶやきシステム」を導入し、IoTイノベーションマネジメントの構築開発に取り組んでいます。