教授メッセージ
Message

北陸先端科学技術大学院大学
マテリアルサイエンス系
環境・エネルギー領域 教授・博士(工学)

大平 圭介|Keisuke Ohdaira

大平研究室のホームページへようこそ!

私たちの研究テーマは、シリコンをベースとした次世代太陽電池の研究開発です。
2000年以降、日本でも太陽光発電システムの導入が急速に進み、太陽光エネルギーを利用した発電事業が盛んに行われるようになりました。私たちは、その太陽電池モジュール(ソーラーパネル)の根幹をなす太陽電池の製法、性能向上に関する研究を行っています。

今、世の中で使われている太陽電池の多くは、シリコンを主原料としています。シリコンは、地球上で酸素の次に多く存在する枯渇の心配のない元素ですが、どのような製法で太陽電池に応用するかによって、製造コストや性能が大きく異なります。
そこで、より安価に、性能が高く、耐久性に優れた次世代太陽電池を開発するための有効な方法を探り、実用化につなげていくのが私たちの研究です。
主な研究テーマとしては、「フラッシュランプアニールによる太陽電池用多結晶シリコン薄膜形成」「触媒化学気相堆積(Cat-CVD)の太陽電池製造技術への応用」「結晶シリコン太陽電池モジュールの長寿命化」があり、この3つの方向性による新たな基盤技術の確立を目指しています。
太陽光エネルギーは、石油エネルギーや原子力エネルギーと比べて環境にやさしいエネルギーであり、太陽電池は持続可能な社会の実現に貢献するデバイスとして、今後さらに需要が高まると予想されます。人間の営みが引き起こした弊害である地球温暖化問題やエネルギー問題の解決は、地球レベルで考えていかなければならない人類全体のテーマといえます。この研究室では、そうした分野に携わる意義を感じながら、使命感を持って研究に取り組める仲間を待っています。

大平研究室の指導方針

学生の自主性を重んじ、学生自身の発想で能動的に研究に取り組むことを重視しています。毎朝8時には研究室のメンバー全員でミーティングを設け、その日の活動予定の報告、前日の活動報告や相談、研究に関するディスカッションを行う時間としています。
修士課程の2年間で、すべての学生に学会発表を経験してもらいます。自らの研究成果をまとめ、学外の研究者・専門家に対して発表を行うまでの一連の準備を通して、研究者に必要な力を総合的に培います。また、英語の論文を自力で1本書き上げ、専門家の査読も受けてもらいます。英語による論理的な文章の構成力、実証的なデータの収集・分析力など、さまざまな力が問われますが、2年間で身につけた力のすべてを発揮することで、胸を張って修士号を取得することができるでしょう。研究活動のほかには、研究室のメンバーで親睦を深めるイベントも行っています。2年に1度の白山登山も当研究室の恒例行事です。

企業の皆様へ

企業の皆様へ

大平研究室では、社会貢献の一環として企業との共同研究を積極的に推進しています。
量産型の太陽電池にも対応できるCat-CVD装置を完備していますので、結晶シリコン太陽電池への薄膜形成はお任せください。また、フラッシュランプアニールによる各種試料へのミリ秒熱処理もお試しいただけます。
太陽電池に限らず、当研究室のシーズを提供しつつ、企業様と共同研究を行うことで私たちも新たな視点を獲得していきたいと考えています。
産学連携により企業・大学だけではなし得ない研究を展開できれば幸いです。

大平教授プロフィール

【学位】

博士(工学) 東京大学

【職歴】
2018/10 – :
北陸先端科学技術大学院大学,先端科学技術研究科マテリアルサイエンス系 , 教授
2016/04 – 2018/09 :
北陸先端科学技術大学院大学 , 先端科学技術研究科マテリアルサイエンス系 , 准教授
2012/01 – 2016/03 :
北陸先端科学技術大学院大学 , グリーンデバイス研究センター , 准教授
2009/10 – 2013/03 :
科学技術振興機構 , さきがけ研究 , 兼任研究者
2006/04 – 2011/12 :
北陸先端科学技術大学院大学 , マテリアルサイエンス研究科 , 助教
2005/09 – 2006/03 :
北陸先端科学技術大学院大学 , 材料科学研究科 , 助教
2004/04 – 2005/08 :
東北大学 , 金属材料研究所 , 博士研究員