受験予定のみなさんへ
入試前から研究はスタートする
研究計画書の書き方

 入試では、今までの実績や研究の経過を説明するほか、最も大切なことは研究計画を提示して、研究に理解を得ることです。また研究することができる知識やスキルを十分持っていること示すことも重要です。そこで、このページでは、大学院入試で重要な「研究計画書の書き方」を説明することにします。
 なお、本学、北陸先端科学技術大学院大学を受験するのであれば、事前に計画書作成の相談することもできます。その場合は下記のメールから(敷田)まで連絡して下さい。
 
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 研究室の1年

研究計画書を書く目的は?

 入試、特に大学院の入試のために作成する「研究計画書」の第一の目的は、「面接で試験者とコミュニケーションをとる」ためです。ですから、自分にしか解らない独特の研究計画書では、その役割が果たせません。
 つまり、一方的に自分の優秀さや実力を表明するのではなく、入試の面接者とできるだけ研究を共有し、そこから自分の研究可能性を説明できればよいのです。

 大事なのは、研究計画書は入試面接における「コミュニケーション素材」と考える点です。もちろん事前審査で計画書は客観的にも評価されると思いますが、自分の将来の研究可能性を面接者と共有する点では同じです。


計画書の構成

 研究計画書は、以下の項目立てで書くと書きやすいと思います。

 目的
 背景
 研究内容と方法
 予想される結果
 研究の特徴  
   です。
       
 まず、自分の研究の目的が何かをはっきりさせ【目的】、その次になぜこの研究をするのかを書きます【背景】。そして次に【研究内容】です。さらにどんなことを、どのようにして研究するのか【研究内容と方法】。最後に【予想される結果】と【研究の特徴】を書きます。


 一番よく見られる問題点は、「○○を研究する」とか「○○を調査する」とだけ書かれて、その調査や研究内容(どのような方法や手法で研究するか、またそのプロセス)が書かれていない研究計画書です。

 面接者が知りたいのは、
    あなたは何を研究するのか「What?」=研究テーマ、目的
    あなたはなぜそれを研究するのか「Why?」=背景
    あなたはそれをどうやって研究するのか「How?」=研究内容と方法  の3点につきます。

 以上の3点が最低は入っていることが重要です。

 なお、「困った研究計画書」を相談の際によくいただきます。それは、「観光客を増やすことを研究する」「地域再生を実現する」など、具体的な問題の解決策を提案するという「超実践的な内容」を書いたものです。それは研究ではなく、実践した方がよい内容です。もしどうしても「実践」がやりたいのであれば、具体的な問題の解決は、大学院ではなく実社会でするのが効果的ですから、大学院で学ぶことはあまりお勧めできません。

 特定の課題を解決する研究をしたいという強い希望がある場合を除いて、「なぜそうなったのか」「どういうプロセスでそうなったのか」など理由を説明したり、新しい意味を見いだしたりすることが研究です。そのため「超実践的」な計画書は、研究するより、しゃかいでそのまま実践してはどうかと思われてしまいます。

 もちろん、上記のように課題の解決自体が研究であるという工学部のエンジニアリングのような分野もあります。しかしその場合には、背景でしっかり課題解決の必要性を説明することが求められます。

研究計画書の内容

■タイトル、題目
 研究のタイトルや題目は、これから説明することの『(セールスコピー)』です。つまり「これについて書く」という宣言のようなものです。もちろんタイトルがすべてではありませんが、これでかなり決まってしまいます。そのためには、読み手、面接官が興味を持ってくれそうなタイトルにしましょう。要するに、相手が、「それって面白そう!」と思ってくれるようなキャッチコピー感覚で創るのがコツです。
 
 なおタイトルいったん決めたら変えられないということではなく、入学後の議論や調査、研究の進展によっては変わります。それは入学後に受験生の皆さんが前進したことの証しでもありますから、心配いりません。実際、変わることが多いのが現実です。

 目的は、例えば「地域再生事業に対する「よそ者」の持つ知識の貢献の研究-石川県能美市のゆず生産事業の事例研究」のように書いてみます。


■研究の目的
 目的は、「○○を△△にするために■■を××する。」というスタイルで2-3行から最大10行ほどで書いて下さい。

 前述の例では、「地域再生を効果的に進めるための事業において、よそ者の持つ専門知識がどのように貢献しているかを明らかにするために、能美市のゆず生産事業がを事例にして、よそ者の参加や持っている知識の寄与条件など知識が有効に使われる条件をインタビューとアンケート調査のデータで考察する。」のようになると思います。

 なお、よくありますが、研究すること、そのものが目的にならないようにしてください。つまり、○○を研究する、例えばこの例だと「よそ者を研究する」「地域再生を研究する」などという書き方です。


■研究の背景
 背景には大きく分けて、『社会的背景』と『学術的背景』を書きます。
 まず社会的背景は、「なぜこの研究をしなければならないかについての、研究テーマの社会的な重要性や課題を、最近のできごと、この研究と関連する事件などを引用して「客観的」に書いて下さい。客観的とは、事実や統計データに基づいて論述することです。特に冗長的、情緒的な表現、例えば「喫緊の課題である」「高く評価されている」「宣言に謳われている」「官民一体となって進められている」「人口減少が進んでいると言われて久しい」は使わないで下さい。意味がありません。

 次に、学術的背景には、これまでの先行研究をレビューし、この研究と同じ内容の研究が今まで成されていないことや類似研究があるがまだ解けていない問題があるなどを書いて下さい。つまり自分の研究が新規性をもっていて、まだ誰も研究していないようなことが書ければよいのです。また、ここでは先行研究を引用しておく必要があります。

 ■研究の内容
 内容には、具他的な研究方法や想定している調査地、調査対象などを書いて下さい。

 例えば、「○○を調査する」、「△△を研究する」としか書かないのではなく、「どうやって」というふうに書いて下さい。

 研究の対象や事例の場所、相手から、時期、インタビューや調査表調査などの手法など、今の時点の想定でかまわないので書きましょう。ただし、あくまでも研究の目的を達成するのに必要な内容です。研究目的に似つかわしくない方法の羅列はやめましょう。また自分が身につけていない(理解できていない、スキルとして持っていない)統計手法や分析手法を書くのは慎みましょう。


■予想される結果
 予想される成果や結果は、この研究で何が得られそうかを書いて下さい。あくまで予想なので確約はいりません。

 ■研究の特色
 研究の特色には、この研究がユニーク(他ではなされていないような特徴がある)ことを主張して下さい。先行研究と野明らかな違い、計画者本人が実施する際のメリット、得意な点、研究結果が社会に与えるインパクトなど、アピールして下さい。

 ということで、より重要な敷田研究目指す方向性、研究ポリシー

 研究では常に新しいアイディアや考え、いわゆる新たな知識創造を目指します。今までの理論やモデルの当てはめや解釈などより、稚拙でもいいので、自ら考えてモデルや新たな説明を提案することを推奨しています。

 テーマは、地域資源と社会を結びつけることを支援する中間システムの研究、よそ者の地域貢献、働き方の研究を進めています。また、地域が資源を有効に使うための、新しい資源戦略論を導きたいと考えています。以上の研究はバラバラなようですが、地域を維持していくためには相互にリンクする重要な内容です。

 そして、グローバル化の中でも地域が地域社会を維持してゆくことができるように、研究と教育で地域社会に貢献したいと思っています。また、私は社会人で学んできたので、社会人で学びたい学生に入学してもらい、伸びてもらいたいと思っています。そのための労は惜しみません。

敷田研究室の研究における指導方針

 どこまでも考える力を伸ばします。また学生が自律的に学び、新しいアイディアや提案を意欲的にできるように積極的な発表や表現を推奨します。「On the shoulder of the giant」を忘れず、一方でダイナミックなリープを勧めます。修士論文や博士論文は山登りやマラソンと同じで時間がかかる学びです。教員は学生と併走しますので、安心して完走できます。なお研究を支えるテクニックも十分指導します(例えば、こちら)。

メールアドレス:
asami_webmail@yahoo.co.jp
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