Micro Electroporator

微容量エレクトロポレーター

実験において、細胞懸濁液にDNAやタンパク質などの親水性物質を混ぜ、エレクトロポレーションにより細胞内に導入するという局面がある。約10mm角のアルミ電極セルに100ul程度のサンプルを入れ、哺乳類細胞であれば振幅数十ボルトの電圧パルスを数ミリ秒間、場合によっては複数回印加したりする方法が一般的であろう。多くの高価な機器が売られていて、専用試薬とセット販売されているケースもある。

しかし市販装置はどこか物足りない。まず、その後の解析がイメージングだけという場合、細胞数はそれほど必要なく、ほとんどの細胞は観察されることなく廃棄されてしまう。神経細胞のような貴重なものであればもったいないし、導入物質のほうが逆に希少である場合もあるだろう。また、電圧振幅やパルス数などはある程度選べるが、自由自在という訳にはいかない。導入効率が極端に悪い細胞種に対して、もっと変な波形を与えてみたくても簡単には出来ない。

目的を微容量サンプルに限定してしまえば、必要なパワーはずっと少なく、市販機器にあるような高級な回路も必要ないのではと考え、汎用部品で簡素な回路を作ってみた。サンプル量は1~3ul、ナノドロップ吸光計のような感覚で使い、PCから任意波形を自在に与える事ができ、自由度の高い実験ができる。HEK、HeLa、神経細胞、HL60等に対し、DNA、mRNA、タンパク質、ナノ粒子等の導入を行う事ができる。貴重サンプルや他検体の実験に威力を発揮すると考えている。

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