Beyond M-BIP

◇M-BIP Stories Vol.5 2020年度システムサポート賞 他 北陸先端科学技術大学院大学

今年で5回目となる、学生を対象としたビジネスアイデアプランコンペティションM-BIP(Matching HUB- Business Idea Plan Competition)の、歴代の受賞学生を紹介する 「M-BIP Stories」。経験したからこそ分かるM-BIPの感想や将来の夢とともに、これからM-BIPに挑戦する学生の皆さんへのアドバイスやエールもお聞きしました。

今回は、個人として、そしてグループメンバーとして2019年度、2020年度に参加、受賞した経験を持ち、その後北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)に進学した麻生大雅さんに、M-BIPに対する思いを話していただきました。(以下、敬称略)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2020年度 システムサポート賞
「住まいるテクノロジー」
井上 周(金沢大学大学院 自然科学研究科 電子情報科学専攻 博士前期課程2年)
メンバー:麻生 大雅
2020年度 オーディエンス賞
「空き家を活用した、学内建築ビジネスによる地域活性化」
津波 宇琉(第一工業大学 工学部 建築デザイン学科3年)
メンバー:麻生 大雅、石原 健太郎
2019年度 オーディエンス賞
「Knowledge Reactor 概念に基づいた産学官協働による地域活性化モデル」
麻生 大雅(第一工業大学 工学部 建築デザイン学科 建築デザインコース)

 

2020年度の授賞式での麻生さん(中央)

 

― 麻生さんは2019年、2020年を通じて複数のアイデアで応募していますが、そもそも最初にM-BIPに応募したきっかけは何だったのでしょうか?

第一工業大学(現第一工科大学、以後第一工大)で建築を学んでいたときに、地域の空き家の活用を研究されている当時の根本先生の指導の下、南九州市の頴娃町というところでフィールドワークをしていました。ワークを進めるうちに空き家の活用に大きな可能性を感じるようになって、4年次に霧島市の横川町で学生を集めて空き家活用のプロジェクトを始めました。プロジェクトでは、大学で学んだ知識やスキルを活かして図面や模型を作り、行政や住民の方に様々なプランの説明をしました。横川町の活動では、社会連携センターの福山先生から凄く支援していただいて、福山先生が「そこまで頑張っているのだからビジコンに応募したらどう?」と言われたのがM-BIPに応募するきっかけでした。あの頃の思いは、成果を残したい、ビジネスにつなげたいという気持ちもありましたが、お世話になった福山先生の期待に応えたいというところが大きかったですね。

― 今年も応募されるようですが、麻生さんをM-BIPに掻き立てるものを教えてください

参加したからこそ分かったのですが、ファイナリストのプレゼンでは、これが同じ学生なのか? と感じるほど凄い人が壇上でプレゼンをして、僕の順番の後にも優秀そうな学生が控えていたことをよく覚えています。ファイナリストに進むには審査を通る必要があるのですが、僕たちのプランが審査を通過する自信はありました。その理由はエントリーシートにあります。エントリーシートを書いている時に、このビジコンは、確固とした信念とビジネスをしっかり考えてまとめれば、例え実際の活動に結びついていなくても通ると思ったからです。また、審査通過後のブラッシュアップの指導も、担当の方が学生のモチベーションが上がるようにアドバイスをしてくれたのが印象的でした。一人ひとりの想いを大切にする、学生に寄り添ってくれるイベントと感じられるのが大きな魅力ですね。

大学生時代から積極的に活動していた麻生さん。地域創生にかける熱い想いを語ってくれました。

 

― M-BIPが麻生さんに与えた影響、あるいはM-BIPから学んだものは何でしょう?

実は、大学の4年次には大学院への進学は全く考えていませんでした。出身の福岡県に戻って就職するつもりだったのですが、M-BIPでとても良い経験ができたのでJAISTを調べてみたのです。すると知識科学領域に、当時の僕が一番興味を持っていた地域振興を研究している敷田研究室があることが分かりました。そして、地域の課題の解消にはまず地域を知る必要があることを痛感して、関心が建築から地域に変わり、JAISTへの進学を決めました。今はしっかり研究に取り組んで、いつかは第一工大や横川町で勉強したことに結びつけたいですね。例えば過疎地域の横川町には観光資源になり得るものがまだまだ隠れているのですが、今の研究を通じてそれを見つけて活用できるモデルケースを確立できればと思っています。そういう意味で、現在の充実した自分は、M-BIPに参加したからこそあるのだと改めて実感しています。

本学敷田研究室で研究に取り組む麻生さん。今後のご活躍を応援しています!

 

― 今年のM-BIPへの応募を考えている人にひと言お願いします。

まず、チャレンジするつもりで応募したらいいと思います。自分が考えたアイデアをもとに外部とのつながりや、いい情報を得る絶好の機会になるだけではなく、アイデアについて客観的な評価を得られる経験はそうは無いと思いますから。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一貫して「空き家活用」というテーマを追いかけている麻生さん。M-BIPがきっかけで本学敷田研究室に出会うことができ、自身の世界が大きく広がったとお話ししてくれました。
次回は地元石川県で学生起業家として活躍する金沢学院大学 鋤田瑞生さんのインタビューをお届けします。
今年のM-BIP応募はこちらから。皆さんのエントリーをお待ちしています!